「介護」カテゴリーアーカイブ

育成就労 17分野で上限42.6万人受け入れ

政府は12月23日、産業界から導入要請の強い外国人労働力について、これまでの技能実習に代わって2027年度から始まる在留資格「育成就労」制度で、17分野の外国人労働者の受け入れ上限を2027、2028両年度の2年間で42万6,200人とする案を示した。
また、技能レベルの高い現行の「特定技能」の2028年度末までの受け入れ上限は80万5,700人に下方修正し、育成就労と特定技能を合わせた19分野で最大約123万人を受け入れ可能とした。2026年1月下旬の閣議決定を目指す。
育成就労の受け入れ上限数を示すのはこれが初めて。出入国在留管理庁によると、2025年6月末時点で特定技能の在留外国人33万6,196人、そして技能実習生は約44万9,400人に上っている。
育成就労は、原則3年働いて一定の技能を身に着け、長期就労が可能な特定技能に移行してもらうことを想定した制度。技能実習は最長5年で帰国を前提とし、別の企業への転籍(転職)は原則禁止だったが、育成就労では1〜2年働けば同じ業種に限って転籍も認める。

介護報酬26年度改定で2.03%引き上げ

政府は、2026年度の臨時改定で介護保険サービスを手掛ける事業者に支払う「介護報酬」を2.03%、障害者向けのサービスを手かげる事業者への「障害福祉サービス等報酬」を1.84%それぞれ引き上げる方針を固めた。
両報酬は原則3年に1度改定される。だが、長引く物価高や他業種の賃金上昇を踏まえ、際立つ介護との業種間の賃金格差を勘案。介護職員の処遇改善に関する部分について、前倒しで前回を上回る引き上げ幅で改定する。介護報酬の海底は2026年6月の予定。

訪問介護倒産1〜11月85件で過去最多に

東京商工リサーチのまとめによると、訪問介護事業者の倒産は1〜11月で85件に上り、すでに2024年通年の81件を上回り、3年連続で過去最多を更新した。ヘルパー不足に加え、2024年度の介護報酬改定で、基本報酬が引き下げられたことで小・中規模事業者を中心に経営を圧迫、破綻に追い込まれた。
原因別にみると、介護報酬の減額や利用者の減少による販売不振が71件と最も多く、全体の8割以上を占めた。負債総額は37億8,800万円で、前年同期比27%増えた。

分娩費用 全額保険で 一時金に代わる案

厚生労働省は出産の経済的不安を軽減し、少子化対策を拡充するため、現在支給されている出産一時金(50万円)に代わり、出産にかかる費用の無償化に向け、、分娩費用を公的医療保険で全額賄う案を検討していることがわかった。早ければ2026年の通常国会に関連法案を提出する方針で、詳細な制度設計を詰め、実施は2027年度以降となる見通しだ。
2024年度の正常分娩の平均出産費用は51万9,805円で、東京都は平均で64万円を超えるなど、地域差が大きいことも問題となっている。保険適用により、全国一律の公定価格を設定することで、居住地や利用施設による不公平感をなくすとともに、費用の透明化を図る。

厚労省 27年度から介護死傷事故 DB化

厚生労働省は2027年度から介護現場で起きた死傷事故の件数や概要を収集・公開するデータベース(DB)を導入する方針を固めた。特別養護老人ホームなど全国すべての介護施設や事業所などを対象に事故の情報を把握し、分析結果を共有することで重大事故の発生を防ぐのが狙い。
全国に約25万カ所ある介護施設や事業所で事故が発生した場合、事業者は厚労省令に基づいて市区町村に報告する義務がある。ただ、厚労省の2022年度の調査によると、市区町村の約3割は報告の集計や分析を行っていない。自治体から国への報告も任意で、事故件数などの実態は不明だった。

富士レビオ 認知症早期発見へ検査キット

富士レビオは11月25日、アルツハイマー病の診断を補助する血液の検査キットについて、厚生労働省に製造販売の承認を申請したと発表した。承認されれば採血で調べられるため、現行の高額な画像検査の「アミロイドPET」や、腰から針を刺す脳脊髄検査に比べ、患者の負担が大幅に軽減され、早期診断に結び付くことが期待される。この検査キットは、米食品医薬品曲(FDA)が今年5月に承認している。
アルツハイマー病は「アミロイドβ(ベータ)」や「タウ」と呼ばれる異常なたんぱく質が脳内に蓄積して神経細胞が傷つき、認知機能が低下すると考えられている。検査キットは血漿中のこれらのたんぱく質の濃度を測定する。

大東建託 神奈川県と”地域見守り”で協定

大東建託(本社:東京都港区)は11月20日、神奈川県と「地域見守り活動に関する協定」を19日に締結したと発表した。同協定は高齢単身世帯など孤立死・孤独死の恐れのある世帯を、行政の適切な支援につなげ、未然に防止することを目的とした官民連携の取り組み。神奈川県内の大東建託全16支店が連携し、地域に密着した見守り活動を実施する。

会社員の80.7%「親の介護に不安」

住友生命は11月10日、介護の日(11月11日)に合わせて、全国の20〜60歳代の男女計1,000人の会社員を対象に実施した親の介護に関するアンケート調査の結果を発表した。
「介護に不安を感じる」と回答した人は80.7%に上った。その理由(複数回答)については「介護保険制度の知識がない」が42.8%、「仕事と介護の両立」が40.9%、「経済的負担」が37.1%と続いている。また、仕事と介護の両立については63.9%が「不可能」と回答した。
親が要介護状態ではない人のうち、「対応が決まっていない・把握していない」との回答は75.2%に上り、介護への準備ができていない現状が浮き彫りになった。
介護状態の親の介護費用の負担額は月平均4万4,690円だった。

認知症になったら 5割が「暮らしてきた地域で生活」

内閣府が10月10日発表した「認知症に関する世論調査」(速報)によると、認知症になった場合でも「今まで暮らしてきた地域で生活していきたい」と希望する人が5割に上った。2019年の前回調査と調査方法が異なるため、単純な比較はできないが、前回から7ポイント以上増え、「介護施設で暮らしたい」と回答した人を上回った。
調査は今年8〜9月、全国の18歳以上の3,000人を対象に実施。1,551人(回収率51.7%)が回答した。

7月の生活保護申請2万5,085件で0.6%の2カ月ぶり減少

厚生労働省は10月1日、7月の生活保護申請件数が2万5,085件で、前年同月比0.6%減少したと発表した。減少は2カ月ぶり。7月から生活保護を受給したのは2万692世帯で2.2%減。以前から生活保護を受給している人を含む受給世帯数は164万7,618世帯で0.4%減った。人数ベースで199万93人で、総人口の1.6%にあたる。