「介護」カテゴリーアーカイブ

成年後見制度 法制審が議論開始 抜本的課題の見直しを!

法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は4月9日、成年後見制度の見直しの議論を開始した。2026年度までに民法などの関連法の改正を目指す。
成年後見制度は認知症患者など判断能力が不十分な人に代わって後見人が預貯金の管理や契約などを支援する仕組み。親族のほか、弁護士や司法書士など専門家が就く。後見人の支援対象は、
財産管理から普段の買い物まで範囲が広い。
ただ、専門家を後見人とするには相応な報酬を支払わなければならない。ところが、年金に依存している数多くの、判断能力の衰えた認知症予備軍ともいえる高齢者にはそのような支払い能力はない。経済的な負担を減らし、使いやすい仕組みに改善する必要がある。そうしない限り、この成年後見制度が普及することはない。日々の暮らしの中で、様々な悩みを抱えた高齢認知症者が置き去りにされた状況は改善しない。現状の本質的な課題に即した抜本的改革に向けた議論が求められる。
厚生労働省によると、認知症患者は2025年におよそ700万人になる。一方、成年後見制度の利用者は2022年末でおよそ24万5,000人にとどまり、普及していない。

後期高齢者の保険料 全国平均が初の月額7,000円超え

厚生労働省によると、75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」の今年度の保険料は全国平均1人当たり月額7,082円と、月額で初めて7,000円を超える見込みとなった。前年度と比べると507円(7.7%)増えて、平成20(2008)年度の制度開始以降、最も大きな引き上げ幅となる。医療費全体の伸びに伴う現役世代の負担増を抑える制度改正などによるもの。

75歳以上保険料 24年度平均月7,082円 伸び率過去最大

厚生労働省は4月1日、75歳以上の約2,000万人が加盟する後期高齢者医療制度に関し、保険料の見込額を公表した。1人当りの全国平均の月額は2024年度が7,082円で、2022〜2023年度と比べて507円(7.7%)増となり、伸び率は過去最大となった。2025年度はさらに増えて7,192円となる。
現役世代の保険料負担を抑える狙いがある。

定員割れで看護学校”閉校”続出, 入学者5年で7,000人近く減

全国で看護学校の入学者数が減少傾向にある。少子化の影響などで定員割れが続き閉校を決めた学校も相次いでいる。厚生労働省のまとめによると、看護が学べる大学はこの10年で全国で88校増えた一方で、短期大学や専門学校は合わせて58校減少している。
また、看護を学べる学校への入学者数の推移をみると、5年連続で減少している。2023年度は2018年度に比べ7,000人近く減り、6万171人にとどまっている。

「特定技能」外国人5年で82万人に拡大 政府が閣議決定 

政府は3月29日、「特定技能」外国人の受け入れ枠の上限や分野の追加について閣議決定した。2024年度から5年間の上限をこれまでの2倍超となる82万人に設定し、新たに自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加し16分野とした。
特定技能は人手不足の分野に限り、一定の専門性を持つ外国人労働者を受け入れる制度として2019年に始まった。2023年末時点で20万人ほどが在留している。5年間ごとに受け入れ枠の上限を設定し、3月末で期限を迎える。

警察庁 23年虐待通告の児童12万2,806人 摘発とも最多

警察庁のまとめによると、2023年に全国の警察が虐待の疑いがあるとして、児童相談所に通告した18歳未満の児童は12万2,806人、虐待の摘発は2,385件でいずれも過去最多を更新したことが分かった。通告した児童数は19年連続、摘発件数は10年連続で増加した。
通告した虐待の状況をみると、暴言などによる「心理的虐待」が73.9%を占め、うち6割弱が子どもの前で配偶者や家族に暴力を振るう「面前DV」だった。摘発事例の8割近くは子どもに暴力を振るう「身体的虐待」だった。虐待により死亡したのは過去最少の28人だった。

経産省 介護と仕事の両立 企業向け指針公表 介護離職防ぐ

経済産業省は3月26日、介護と仕事の両立推進に向けた企業向けの指針を公表した。要点として、経営層の積極的な関与や調査、研修の実施などが盛り込まれている。
2030年には家族を介護する人のうち、およそ4割が働きながら介護にあたる”ビジネスケアラー”になると見込まれる。また、労働生産性の低下や介護離職による経済損失が、従業員3,000人程度の製造業で1社あたり年間6億円程度に上るとの試算も示している。高齢化の進行に伴い、介護と仕事の両立は国の喫緊の課題として、本格的に取り組まなければならないテーマとなっている。

在留外国人 過去最多の341万人に 1年で10.9%増加

出入国在留管理庁によると、2023年12月末時点で日本に在留する外国人は341万992人となり、前年同期比33万6,000人(10.9%)増え過去最多となった。在留資格別にみると、永住者が89万1,569人で最も多く、「技能実習」が40万4,556人、「特定技能」が20万8,462人だった。前年同期比で技能実習がおよそ8万人、特定技能がおよそ7万8,000人増えている。
ただ、問題も発生している。技能実習の資格で入国したのに、別の職種で働くなどして資格を取り消された件数は、前年比115件増の1,240件に上り最多となった。

自動車総連 賃上げ平均1万3,896円 約50年ぶり高水準獲得

自動車業界の労働組合でつくる自動車総連(所在地:東京都港区)は3月20日、2024年の春季労使交渉について、経営側から回答を得た186組合の同日時点の回答集計結果を発表した。
基本給のベースアップ(ベア)相当の賃金改善分と、定期昇給(定昇)に相当する維持分を合わせた賃上げ獲得額の平均は1万3,896円だった。これは1975年以降で最高の水準。