「介護」カテゴリーアーカイブ

旧優生保護法 被害者への補償法1/17施行 請求受け付け開始

旧優生保護法のもとで不妊手術や人工妊娠中絶を強制された被害者への補償を行う法律が1月17日施行され、全国の都道府県の窓口で補償金を受け取るための請求の受け付けが始まった。
2024年10月に成立した新たな法律では、不妊手術を強制された被害者本人に1,500万円、配偶者に500万円の補償金を支給するほか、人工妊娠中絶を強制された本人に200万円を一時金として支給する。などとしている。
こども家庭庁によると、不妊手術を受けた被害者本人またはその遺族がおよそ2万5,000人、配偶者またはその遺族がおよそ7,600人、中絶手術を受けた人がおよそ1万5,000人などと推計され、支給額は合わせておよそ4,710億円と見込んでいる。

エーザイの認知症薬 米国FDAが申請受理 自宅投与が可能に

エーザイ(本社:東京都文京区)は1月14日、米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」の皮下注射製剤の承認申請について、米食品医薬品局(FDA)が受理したと発表した。8月31日までに審査を完了する。承認されれば、米国では自宅での薬剤投与が可能となる。皮下注射製剤は週1回専用のペン型注射器で投与し、平均15秒で投与できる。通院や看護の負担を軽減できる。
レカネマブは米国、日本、中国、韓国など10カ国・地域で承認を取得。欧州(EU)など17カ国・地域で承認申請している。

24年介護事業者倒産 前年の1.4倍の172件で過去最多に

東京商工リサーチのまとめによると、2024年に確認された介護事業者の倒産は全国で前年の1.4倍の172件にに上り、介護保険制度が始まった2000年以降で最も多くなった。恒常的な介護職員の不足や物価の高騰が主要因。
倒産事業者の内訳は「訪問介護」が最も多く81件と全体の半数近くを占めている。次いでデイサービスを提供する「通所・短期入所」が56件、「有料老人ホーム」が18件などとなっている。負債総額は229億円余で、従業員数が10人未満の小規模な事業所が8割以上を占めている。

東京都「無痛分娩」費用助成へ 都道府県で初 予算組み

東京都は新年度から、都内に住む妊婦が都内で出産する際に、麻酔を使って出産の痛みを和らげる「無痛分娩」で出産した場合、これにかかる費用を助成する方針を固めた。無痛分娩の費用は10万〜15万円かかるケースが多いことを想定。助成金額はこれらをもとに最終調整する。
都はこの取り組みに要する予算を、2月に開会する都議会に提出する新年度予算案に盛り込むことにしている。都によると、無痛分娩費用の助成が実現すれば、都道府県では初めてという。

「在宅医療」患者 23年は推計23.9万人で過去最多に 厚労省

厚生労働省によると、高齢者などが自宅などで医師の診察を受ける「在宅医療」の患者が2023年は1日あたり推計23万9,000人と過去最多になったことが分かった。患者を世代別に見ると、75歳以上の後期高齢者が1日あたり20万2,500人と、全体のおよそ85%を占めている。
在宅医療を提供している医療機関の内訳は、一般診療所が最も多く51%と半数を占め、以下、歯科診療所40%、病院9%だった。このほか、医療機関に入院している患者数は1日あたり推計117万5,300人と、現在の調査方法となった昭和59年以降で、最も少なくなった。

団塊の世代全員 後期高齢者に 医療・介護体制拡大が課題

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2025年は約800万人が新たに75歳以上となり、第1次ベビーブームの時代(1947〜1949年生まれ)全員2,154万人が後期高齢者となる。その結果、後期高齢者の75歳以上が、全人口のおよそ5人に1人の割合となる。
近年、経済・社会問題として様々に指摘されてきたことだが、いよいよ「2025年問題」に直面する年となる。医療や介護を必要とする人がますます増加し、国としてこうした人たちを支える体制をどのように拡大、充実させていくかが大きな課題となる。

23年度施設の高齢者虐待31.2%増の1,123件と最多更新

厚生労働省の調査によると、2023年度に高齢者が介護施設などの職員から虐待を受けた件数は、前年度比31.2%増の1,123件だった。3年連続で過去最多となり、2007年度の調査開始以降、初めて1,000件を超えた。
職員らによる虐待と特定できた被害者は2,335人。内訳は「身体的虐待」が51.3%で最も多かった。次いで「心理的虐待」が24.3%だった。

技能実習生など外国人労働者の14%トラブル抱える 厚労省

厚生労働省は12月26日、技能実習生や特定技能、永住者ら日本で働く外国人労働者について、就職・転職状況や賃金など労働実態に関する初めての調査結果を公表した。この結果、外国人労働者の14.4%が、紹介費用や仕事内容などを巡って、トラブルを抱えていたことが分かった。
調査は2023年10〜11月に行い、労働者1万1,629人と雇用する3,534事業所から回答を得た。労働者の在留資格別では技能実習が最多の22.8%、永住者が18.9%、特定技能が11.9%だった。
まず就労上のトラブルの有無を尋ねると、14.4%が「ある」と回答。内容別(複数回答)では「紹介会社(送り出し期間含む)の費用が高い」が19.6%で最も多かった。次いで「説明以上に高い日本語能力を求められた」(13.6%)、「仕事内容について説明がなかった」(7.3%)など、受け入れ事業所側の説明の不備を訴える回答も目立った。
月の平均賃金は26万7,000円で、特定技能が23万2,000円、技能実習が20万4,000円。大学の研究職や経営者など高度専門職は60万円で頭抜けて高かった。
事業所が外国人を雇用する理由(複数回答)は「労働力不足の解消・緩和」が64.8%で最多。雇用上の課題では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が44.8%で突出して多かった。
外国人労働者の43%就職・転職の方法として、SNSを含む「知人・友人」を挙げており、ハローワークを利用したのはわずか3.9%にとどまっている。

23年度障害者虐待認定 最多の3,477件 前年度比398件増

厚生労働省は12月25日、全国の自治体が認定した2023年度の障害者虐待は、前年度比398件増の3,477件となり、過去最多を更新したと発表した。被害者は4,641人に上った。
加害者別でみると、家族ら養護者が2,283件、施設職員が1,194件。類型別では身体的虐待が2,162件で最も多く、心理的虐待、経済的虐待が続いている。父親と施設職員の虐待で2人が亡くなった。