育児と仕事の両立を支援するため、これまで子どもが3歳になるまでが中心だった措置を拡充することを盛り込んだ改正育児・介護休業法などが5月24日、参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。2025年4月以降、順次施行する。
改正育児・介護休業法は、新たに企業に対し①残業の免除対象を3歳から小学校に入学するまでの子どもを持つ親にも広げる②3歳から小学校に入学するまでの子どもを持つ親を対象に、短時間勤務制度や始業時間の変更、テレワーク、時間単位で取得できる休暇の付与など、複数の制度の中から2つ以上を設けることを義務付ける③子どもの「看護休暇」の取得を、感染症に伴う学級閉鎖や、入学式など行事への参加もできるようにし、対象を小学3年生まで広げる④男性の育児休業の取得状況の公表義務を、これまでの「従業員が1,000人を超える企業」から「300人を超える企業」に広げるとともに、目標設定を100人を超えるすべての企業に義務付けるーとしている。
一方、介護との両立をめぐっては、支援制度を利用せずに離職に至るケースが多いことから、企業に対し①家族の介護が必要となった従業員に介護休業等の制度を周知し、取得の意向を確認する②介護に直面していない従業員にも早めに制度を周知することを義務付けるーとしている。
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熊本県 「半導体ビザ特区」申請 在留資格審査の迅速化へ
熊本県は5月10日、半導体関連業務に携わる外国人高度人材が日本国内で就労するのに必要な在留資格審査の迅速化に向けて、国家戦略特区の指定申請をしたと発表した。これは、同県菊陽町で台湾の半導体受託生産で世界大手、台湾積体電路製造(TSMC)が進出、第1工場を2月に開所し、第2工場の建設決定、さらにソニーグループの進出が決まるなど関連産業集積が進んでいることを見据えたもの。これを機に海外から優れた人材の円滑な獲得を進め、地域の半導体産業の一段の振興を目指す。
一般に在留資格認定証明書の交付には最大で3カ月程度かかるといわれるが、同県によると中小企業診断士らに依頼するなどして審査を代行し、必要な期間を1カ月程度まで短縮することで、円滑な人材確保につなげたいとしている。
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認知症患者 30年に推計523万人 8年間で約80万人増加
厚生労働省研究班の調査によると、認知症の患者数が2030年に推計523万人に上ることがわかった。2022年時点の443万人から8年間で約80万人増える。高齢化の進展に伴い2050年には587万人、2060年には645万人と増加する。これに加えて危惧されるのが、認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の患者数の増加だ。MCI患者は2030年に593万人、2060年には623万人まで増えると推計した。MCIは認知症の手前の段階にあたり、この予備軍を含めると、認知症患者数は2030年には1,100万人を超す。
年齢別に認知症患者の割合をみると、65〜69歳では1.1%、70〜74歳では3.1%にとどまるが、75〜79歳では7.1%に増加し、90歳以上では実に50.3%と一気に高くなる。男女別に認知症患者をみると、女性の方が高かった。85〜89歳では女性が37.2%、男性が25.2%、そして90歳以上では女性55.1%、男性36.6%だった。
厚生労働省研究班が福岡県久山町、石川県旧中島町(現七尾市)、愛媛県旧中山町(現伊予市)、島根県海士町の4地域に居住する65歳以上の高齢者を対象に調査した。