「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

関電 4月から水素混焼発電 実証実験 万博に電力供給

関西電力(本社:大阪市北区)は3月28日、姫路第2火力発電所(所在地:兵庫県姫路市)で、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を燃料に混ぜて発電する「水素混焼発電」の実証実験を4月から始めると発表した。発電した電力は、同月13日に開幕する大阪・関西万博会場に供給する計画だ。
実証実験では、燃料に使う液化天然ガスの最大30%(体積比)を水素に置き換え燃焼する。90分間発電した場合、30トン程度のCO2削減につながるという。発電能力や設備などへの影響を検証したうえで、2050年までに、水素だけで燃やす「水素専焼」の実現を目指す。

日本郵政 増田社長退任へ 相次ぐ不祥事で 後任に根岸氏

日本郵政は3月28日、増田寛也社長(73)が退任し、後任に日本郵政の根岸一行常務執行役員(54)が就く人事を発表した。トップの若返りを図る。日本郵政グループでは、日本郵便による顧客情報の流用が発覚するなど不祥事が相次いでおり、企業統治の強化が急務となっている。

三井住友・あいおい合併へ 3・4位 国内トップに 損保再編

損害保険大手のMS&ADホールディングス(HD)は3月28日、傘下の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が2027年4月の合併に向けて検討に入ると発表した。実現すれば国内損保でトップに躍り出る。今後、両社が合併に向けた事務局を設置し、合併比率や新会社の名称、トップ人事などを協議する。
合併すれば、2024年3月期決算ベースで2兆9,922億円まで拡大し、東京海上日動火災保険(2兆4,179億円)、損害保険ジャパン(2兆1,779億円)を上回る。

カナデビアなど3社 浮体式洋上風力発電商用化で協業の覚書

カナデビア(本社:大阪市住之江区)、大成建設(本社:東京都新宿区)、商船三井(本社:東京都港区)の3社は3月27日、浮体式洋上風力発電商用化に向けた業業に関する覚書を締結したと発表した。3社は知見を共有し、浮体基礎の製作と浮体基礎の曳航および係留が互いに関連する領域で、コストおよびリスクを低減する施工方法を検討する場を形成すること、洋上風力発電産業の発展に資することを目指す。
政府の第7次エネルギー基本計画では2040年の電源構成見通しでは、再生可能エネルギーの割合を40〜50%程度まで増やすことを発表。このうち洋上風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札と位置付けられている。

ホンダ 中国・広州市に新設のEV専用工場が稼働開始

ホンダの中国自動車大手の広州汽車との合弁、広汽ホンダが中国広東省広州市に建設した電気自動車(EV)専用工場が3月26日、本格稼働を開始した。新工場の生産能力は年間12万台。建設・投資額は約730億円。
新工場は、部品の搬送など様々な工程を自動化し、従来と比べ25〜30%の人員を削減したほか、溶接作業にAI技術を導入し、効率を大幅に高めている。

世界初 和歌山 JR初島駅で3Dプリンター使い新しい駅舎

和歌山県有田市のJR初島駅で3月25日、世界で初めて3Dプリンターを使って新しい駅舎が建設された。駅舎は高さ2.6m、広さはおよそ10㎡。屋根や駅など4つのパーツがトラックで運び込まれ、クレーンなどを使って組み立てられた。工事はおよそ6時間で終了した。JR西日本によると、3Dプリンターを使用した駅舎の建設は世界で初めて。
これらのパーツはあらかじめ、セレンディクス(所在地:兵庫県西宮市)が3Dプリンターを使いモルタルで型枠をつくり、内部に鉄筋コンクリートを組み込んだもので、耐震性は鉄筋コンクリート造りの住宅と変わらないという。

「ジャパニーズウイスキー」法整備を 業界団体が国に要請

日本洋酒酒造組合(所在地:東京都中央区)は3月27日、国産ウイスキー「ジャパニーズウイスキー」の基準に関し、国に法整備を要請すると明らかにした。国が保護する地域ブランド「地理的表示(G1)」の対象にして産地を明確にするほか、日本酒などのように製法品質表示基準を制定することを求めている。
同組合の塚原大輔理事長(サントリー執行役員)は、「生産基準や表示の全般ルールを国を国が明確に定めることで、ジャパニーズウイスキーの信頼性や競争力の向上につながる」としている。

中国EV大手BYD 24年売上高16兆円 米テスラ上回る

中国の電気自動車(EV)大手、BYDの2024年の売上高が前年比29%増の7,770億元(約16.1兆円)となり、米国のEV大手、テスラを上回った。中国系メディアが報じた。BYDのハイブリッド車(HV)も含めた販売台数は427万台に達した。
これに対し、テスラの2024年の売上高は977億ドル(約14.7兆円)、EV販売台数は179万台だった。

エア・ウォーター 4月から札幌市内で水素ステーション稼働

産業ガス大手のエア・ウォーターは3月25日、4月から札幌市内で水素ステーションの営業を本格的に始めると発表した。北海道苫小牧市で製造した化石燃料由来の「グレー水素」を水素ステーションに供給する。バスやトラックなど商用の大型燃料電池車(FCV)にも水素を充填できる定置式水素ステーションは道内では初めて。
FCバスは1日あたり14台、一般的な乗用車では同70台に水素を充填可能という。ただ現在、札幌市内にはFCVが30台程度で、1日あたりの利用は2〜3台にとどまるとみている。

エディオン ネット家電の利便性高めるアプリ開発 6社と連携

家電量販店エディオン(本社:大阪市北区)は、インターネットにつながる家電製品の新しいアプリを開発した。これは、シャープやダイキン工業など家電メーカー6社と連携し、通信規格を同じにすることで、家電ごとにメーカーが異なっていても、まとめて操作できるようにしたもので、4月から利用できるという。
冷蔵庫やエアコン、洗濯機などのネット家電は、スマートフォンのアプリを使って遠隔操作したり、稼働状況を確認できたりする。ただ、使っている家電ごとにメーカーが異なると、それぞれのアプリで操作する手間がかかり、本来の機能が余り使われていないことが課題となっていた。