「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

大阪メトロ「空飛ぶクルマ」SkyDriveと資本業務提携

大阪メトロは8月26日、「空飛ぶクルマ」の開発を手掛けるSkyDriveと資本業務提携契約を締結したことを明らかにした。大阪メトロは今年10月に専門の組織を立ち上げ、ビジネスモデルの策定などに取り組むほか、今後両社でニーズの調査や人材交流を行い、事業化に向けた検討を進める。そして、機体の安定化を担保する国の「型式証明」を取得したうえで、2028年に空飛ぶクルマのサービス開始を目指す。

スペースワン 小型ロケット2号機の12月打ち上げを発表

宇宙スタートアップのスペースワン(所在地:東京都港区)は8月25日、小型ロケット「ヵイロス」の2号機を12月に打ち上げると発表した。初号機と同様、和歌山県串本町に整備したロケット射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。2号機は5つの人工衛星を搭載する。具体的な打ち上げ日程は現時点では未定。2号機で再び宇宙軌道への人工衛星の投入を目指す。
同社の豊田正和社長は、同射場で3月に行った初号機の打ち上げ失敗の原因について、燃焼させてロケットの推進力とする”推進薬”の燃焼速度の計測過程で問題があり、実際よりも高く推進力が出ると予想していたことを、その一つに挙げた。
スペースワンにはキャノン電子、IHIエアロスペース、清水建設などが出資している。

日本電気硝子 耐熱仕様の全固体NIB二次電池サンプル出荷

日本電気硝子(本社:滋賀県大津市)は8月21日、−40℃〜+200℃という二次電池では世界一広い温度域で動作可能な耐熱仕様の全固体ナトリウムイオン二次電池(以下、NIB)のサンプル出荷を開始したと発表した。このNIBは正極、負極、固体電解質のすべてが結晶化ガラスで構成されており、低温での凍結や高温での劣化に強い耐性を持つ。また、発火やガスの発生もない。さらに今回、これらの特長を最大限に活かすガラス封着技術を用いた耐熱パッケージを開発した。

竹中工務店 25年万博会場内に「森になる建築」8月に着工

竹中工務店(本社:大阪市中央区)は7月26日、「Seeds PaperPavilion(シーズペーパーパビリオン)」を、未来社会ショーケース事業出展(グリーン万博)の「森になる建築」として25年大阪・関西万博の会期中(2025年4月13〜10月13日)の来場者が休憩等に使うことができる仮設建築物として会場内に施設提供すると発表した。この建築物は8月に着工後、現地で3Dプリントを行い、2025年4月の完成を予定している。
Seeds PaperPavilionは、2020年ぁら2021年にかけて同社グループ従業員を対象に実施した「竹中グループが提案する25年万博パビリオンに関するアイデア」提案コンペで最優秀賞の選定されたもの。使い終わると廃棄物になる建築ではなく、みんなでつくる建築が種となり、使い終わったら森になるという未来の建築を描いた提案。最先端の3Dプリント技術と手づくりを融合させてつくる建築。すでに2023年5月より千葉県印西市の竹中技術研究所で大型3Dプリンターでの試驗を開始。今年4月に実物サイズの出力試驗に成功している。

YKK AP ペロブスカイト 建材一体型太陽光発電で実証開始 

YKK AP(本社:東京都千代田区)は、千代田区およびAkiba TV(本社:東京都千代田区)と7月9日付で締結した建材一体型太陽光発電による再生可能エネルギー性能の実証実験に係る事業者に関する協定書」に基づき、秋葉原駅前広場に既存ビルのミニチュアとして製作した実証実験ハウス「Akiba ZERO BOX」を設置し、次世代ソーラーセル(ペロブスカイト太陽電池)を用いた「建材一体型太陽光発電(BIPV)」の日射量や発電量のデータ収集を行う実証実験を7月25日から開始した。実施期間は7月25日〜10月20日。

竹中工務店 ECMコンクリートの適用例100件突破

竹中工務店(本社:大阪市中央区)は7月19日、2014年の開発以来、ECM(エネルギー・CO2ミニマム)コンクリートの適用を積極的に進め、適用プロジェクト数が6月末時点で100件を突破、コンクリート使用量は計32万㎥、CO2削減量は計6万トンに達したと発表した。
ECMコンクリートは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトを通じて、産学連携で共同開発したCO2排出量を約6割削減する低炭素型のコンクリート。順次、適用範囲を拡大し、現在出荷工場は関東・関西圏を中心に日本各地で計100工場を超え、供給体制も整いつつある。

TOYO NTPCとインドでのe-メタノール製造・事業性検討

東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市、以下、TOYO)は7月19日、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査に係る補助事業者募集)」に応募し、採択されたと発表した。
これはインド国営電力公社NTPC Limited(以下、NTPC社)が製造を計画する、インド南部におけるグリーン水素とバイオジェニックCO2を活用し、TOYO保有ライセンス技術g-Methanol(R)でe-メタノールを製造、日本へ輸出のうえ、船舶燃料として供給、または原料として低炭素合成燃料を製造・販売するバリューチェーン構築事業の可能性を調査するもの」。調査期間は約1年間。この事業で製造されたe-メタノールの日本のオフテイク候補企業はENEOS。

ペロブスカイト太陽電池のエネコート 新たに55億円調達

曲がる太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の開発を手掛けるエネコートテクノロジーズ(本社:京都府久世郡久御山町)は7月18日、第三者割当増資で55億円を調達したと発表した。今回、トヨタ自動車傘下のウーブン・キャピタルや三菱UFJキャピタル、INPEX、西松建設などから出資を受けた。
この結果、同社がこれまでに得た資金は公的助成も合わせると100億円を超えている。今後、本格的な生産体制の確立を急ぐとともに、車載用などへの展開を見据えて年内にも小型の太陽電池を発売する。
エネコートテクノロジーズは、京都大学の若宮淳志教授の研究成果などを基に、2018年に創業したスタートアップ企業。

木質バイオマス発電所の燃焼灰の有効活用で産学共同研究

奥村組(本社:大阪市阿倍野区)、神鋼商事(本社:大阪市中央区)、国立大学法人室蘭工業大学(所在地:室蘭市)は7月16日、木質バイオマス発電所から発生する木質バイオマス燃焼灰の有効活用に向けた共同研究を開始したと発表した。これは木質バイオマス燃焼灰を、水に濡れると消石灰と同様に強アルカリ性を示すことに着目し、消毒剤として使用されている消石灰の代替材として有効活用しようというもの。
畜産業に甚大な被害をもたらす鳥インフルエンザや豚熱などの伝染性疾病への対策には、強アルカリ性で高い消毒効果を持つ消石灰が一般的に使用されている。現在、木質バイオマス燃焼灰の多くは産業廃棄物として処分されている。

常温常圧でアンモニアの連続電解合成 世界最高性能達成

出光興産、東京大学、大阪大学、産業技術総合研究所(以下、産総研)は7月4日、共同で進めている研究開発で、空気中に多量に存在する窒素と水から常温・常圧で進行するアンモニアの連続電解合成で、世界最高性能を達成したと発表した。
この研究開発は出光興産を幹事会社とし、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業の委託業務として実施。今回、ラボスケールで実証した。
モリブデン触媒に適した電解合成技術の開発により、電解合成に使用する電極の単位当たりのアンモニア生成速度が従来技術より約20倍向上し、世界最高性能を達成した。