「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

日野・三菱ふそう統合へ 5月にも最終合意, ブランドは維持

トヨタ自動車傘下の日野自動車とドイツのダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスが経営統合の最終合意に向けて調整に入った。早ければ5月にも最終合意を結ぶ方針で、統合後も日野と三菱ふそうのブランドは維持する予定。
トヨタ自動車とダイムラーートラックが出資して設立する持株会社は2026年の上場を目指しており、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは完全子会社となる。この結果、国内の商用車大手は、日野・三菱ふそうと、いすゞ自動車系の2陣営に再編される。

ブラザー 中国・天津市に6カ所目 工作機械ショールーム

ブラザー工業(本社:名古屋市瑞穂区)は4月22日、中国の子会社、兄弟機械商業(上海)有限公司(本社:中国・上海市)が、天津市に中国では上海市、東莞市、重慶市、寧波市、南京市に次ぐ6カ所目となるショールームを併設する工作機械のテクノロジーセンターを新設したと発表した。同センターの延床面積は391㎡(うちショールーム部分180㎡)。
今後は工作機械の営業活動に加え、展示や実演、各種セミナーの開催、テスト加工、サービスサポート活動などを行う拠点として活用していく。

伊藤忠 タイCPグループとの相互出資解消 戦略提携は継続

伊藤忠商事は4月21日、タイ財閥チャロン・ポカパン(CP)グループの中核企業、COポカパン(CPP)の株式を2026年3月期中にすべて売却すると発表した。CPグループも伊藤忠商事の株式を売却する。コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を踏まえ、株式の持ち合いを解消する。ただ、戦略的業務提携は継続する。

首都圏24年度新築マンション8,135万円 4年連続最高更新

不動産経済研究所のまとめによると、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で2024年度に発売された新築マンションの平均価格は、前年度比570万円(7.5%)高の1戸あたり8,135万円となり、4年連続過去最高を更新した。
地域別でも軒並み価格は上がっており、東京23区は前年度比11.2%高の1億1,632万円、23区以外の地域は13.2%高の6,067万円、神奈川県は7.2%高の6,587万円、埼玉県は20.5%高の5,893万円、千葉県は10.6%高の5,604万円だった。
建設にかかる資材費、人件費に加え、土地価格の上昇が発売価格に転嫁されているほか、3月に都心部に1億円台後半から2億円台の高額物件が多く供給されたことが平均価格を押し上げた。
ただ、発売個数は前年度比17%減少し2万2,239戸にとどまり、1973年度の調査開始以来、最も少なくなった。

JR西日本 2駅に車いす利用者用可動スロープを試験導入

JR西日本は車いす利用者が列車に乗り降りする際の段差を解消するため、可動式スロープの開発を進めており4月21日、新大阪駅とJRゆめ咲線の桜島駅の2駅に試験的に設置した。10月までのおよそ半年間設置され、安全に作動するかや利便性などを検証する。
この可動式スロープは、列車が到着すると自動でホームからせり出して、車両とホームとの段差や隙間をなくし、列車が発車すると自動でホームへと収納される仕組み。
現在、車いすの利用者が列車を乗り降りする際、駅員がホームとの間に板を置いて段差を快勝しているが、「声をかけづらい」や「時間がかかる」などの声が挙がっている。

アイリスオーヤマ 米国4工場で18億円投じ生産体制強化

アイリスオーヤマは4月21日、トランプ米政権による関税措置を受けて、米国向け輸出で大幅な影響が避けられないことから、米国内の生産体制を強化すると発表した。総額約1,300万ドル(約18億円)を投じ、2025年に2州の4工場で生産設備の新設に充てる。
ペンシルベニア州では、約650万ドルを投じて、現在中国の工場から米国に輸出しているペット用トイレシートの生産ラインを新設する。12月から稼働する。ウィスコンシン州では医療用マスクの生産設備を約50万ドルで新設、6月から生産する。

オリエンタルランド カスハラで対応方針 入園拒否も

東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド(OLC)は4月18日、顧客による迷惑行為、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対応方針をまとめたと発表した。顧客の要求や言動がカスハラにあたると判断した場合、東京ディズニーランドをはじめとするOLCの施設利用を断るとしている。
同社はカスハラに該当する行為として、威圧的な言動や長時間の拘束のほか、土下座の要求や従業員の盗撮などを例示。また従業員に対するSNS上での誹謗中傷も含まれる。

足尾銅山記念館が完成式典 古河グループ 8月に一般公開

古河機械金属など古河グループは4月21日、足尾銅山記念館(所在地:栃木県日光市足尾町)の完成記念式典を開いた。報道陣らに内部を公開した。一般社団法人 古河市兵衛記念センターが建設し、運営する。延床面積は1,245㎡。館内では1884年に銅の生産量が日本一になった足尾銅山に歴史や、1877年に足尾銅山の経営を始めた古河グループの創業者、古河市兵衛の人物像などを伝えるブースを設けている。
銅山から有害物質が流出して大きな被害をもたらし、日本の公害の原点とされる足尾鉱毒事件についても、一部屋を使って展示している。
足尾町はインバウンド(訪日外国人)に人気の日光から車で30分のところに位置し、新たな観光スポットとなりそうだ。

関空国際線 GW過去最多の94万人を予想 関西エアポート

関西空港を運営する関西エアポートは4月18日、ゴールデンウィーク期間中(4月25日〜5月6日)の関西空港の国際線利用者が94万8,400人になるとの予想を発表した。1日あたりの平均利用者数は前年の1.2倍に増え、コロナ禍前の2019年を上回って過去最多となる見込み。行先は中国が最多の15万6,000人でぜんねんの倍増、韓国が11万5,400人、東南アジアが7万3,600人と続いている。

NTT 世界初 ドローン「空飛ぶ避雷針」実証実験に成功

NTTは4月18日、世界で初めてドローンを雷雲に向けて飛ばし、落雷させて地上への被害をなくす「空飛ぶ避雷針」の実証実験に成功したと発表した。市販の大型ドローン(2.3m四方、重さ10kg)を改造し、空に向けて5本の金属製ポールを取り付けて雷が落ちやすくした。
実験は2024年12月、標高900mの島根県浜田市の山間部で行った。安全な建物内からドローンを目視で操作し、雷雲が接近したタイミングで高度300mまで上昇させ、機体から延ばした金属製ワイヤを地面に接地。ドローンが避雷針の役割を果たし、雷が直撃した。強い電流がドローン本体に流れないように、機体の周りはアルミ線で囲われており、落雷後も安定飛行を続けて無事に着地。一般的な雷の約5倍に相当する150㌔・㌂の電流を受けても故障や誤作動を起こさないことも確認した。
同社は「空飛ぶ避雷針」として2030年ごろの実用化を目指す。避雷針の設置が難しい屋外のイベント会場や風力発電用の風車などでの活用を想定する。