「つなぐ」カテゴリーアーカイブ

マイナ保険証で25年度から電子カルテ 病院間で共有へ

政府は、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を利用する患者の電子カルテ情報について、医療機関同士で共有する新システム「電子カルテ情報共有サービス」の運用を、2025年度に始める方針を固めた。この新システムは厚生労働省所管の法人が管理する。
これにより、各医療機関から電子カルテに記録された病名やアレルギー、感染症と生活習慣病の検査や健診結果、処方箋の情報が集まり、データベースに蓄積される。データの保存期間は3カ月〜5年間となる。全国の医療機関がデータを閲覧するためには、患者の同意を得る必要がある。
新システムが導入されると、救急患者の症状と、データを突き合わせて診断したり、初診患者の検査結果を、過去の数値と比べて病状の変化をみたりすることが可能になる。また、アレルギー情報は安全な薬剤の処方に役立つ。

危険運転 法改正へ ”速度”や”飲酒”に数値基準を新設

法務省は、悪質な運転による交通事故を適正に処罰するため、自動車運転死傷行為処罰法の危険運転致死傷に関する規定を改正する方針を固めた。高速度や飲酒運転による事故への適用要件を明確化するため、速度や運転者のアルコール濃度について数値基準を新設する。車のタイヤを横滑りさせながら運転する「ドリフト走行」も処罰対象に加える方向。早ければ年度内も法制審議会に諮問し、具体的な数値や要件などを固める。

日立 台湾MRT設置用昇降機147台受注 地震時 検知機能搭載

日立製作所は11月28日、台湾で建設中の都市高速鉄道(MRT)に設置されるエレベーターなど昇降機147台を受注したと発表した。受注額は非公表。昇降機関連では台数、金額ともに台湾では過去最大規模。昇降機の内訳はエレベーター41台、エスカレーター106台。同社の子会社、日立永大電梯を通じて受注した。すべてのエレベーターには、地震時、閉じ込めを防ぐ検知機能が搭載される。

訪日客の免税制度 26年度にも出国時返金に変更 不正横行で

政府・与党は、訪日観光客に適用される消費税の免税制度について、2026年度にも出国時に国外へ持ち出す商品を確認して消費税分を払い戻す「返金(リファンド)方式」に変更する方向で調整に入った。日本国内で購入時に免税している現行制度では、その後に転売するなどの不正が横行しているとの指摘があるからだ。
与党の税制調査会が詳細を詰め、今年末にまとめる2025年度税制大綱に盛り込む。
税関の調査では、2022年度に1億円以上の免税品を購入して出国した374人のうち、税関が購入を把握して検査できたのは15.2%の57人にすぎず、ほとんどの人は無申告で出国していた。さらに免税品の検査をした57人のうち、56人は持ち出しなどを確認できず、消費税を支払う必要があったが、55人は納税せず出国し、滞納額は18億5,000万円に上ったという。

何副首相と会談 関西財界訪中団 関係強化, 万博協力確認

関西財界訪中代表団は11月27日、何立峰副首相と北京市の人民大会堂で会談し、日中関係の改善・強化に向けた協力を確認した。何氏は経済担当の副首相として産業・貿易政策に大きな権限を持つ。
今回の訪中代表団の共同代表を務めた、関西経済連合会の松本正義会長は中国側にビジネス環境の改善を求めたのに対し、何氏は「ウィン・ウィンの発展が大切だ」と応じたという。また、2025年4月に開幕する大阪・関西万博に合わせて、中国政府が代表団を派遣する考えが示された。

繊維大手ユニチカ 赤字続きの祖業の繊維事業から撤退へ

大手繊維メーカー、ユニチカ(本社:大阪市中央区)は赤字が続いていた祖業の繊維事業から撤退する方針を固めた。需要が伸びている食品包装や半導体関連の材料に使われるフィルム事業に経営資源を集中する。これに伴って、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などの主力銀行も300億〜400億円規模の債権放棄を行う方向で調整する。
同社のルーツは尼崎紡績で、1889年に創業した後、天然繊維の紡績工場から脱却、黎明・成長期の化合線繊維の製造を手掛ける中、主力メーカーの一角として、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど化合繊繊維事業を拡大し、日本の繊維産業の近代化や戦後の高度経済成長を支えた。
ただ、近年は様々な構造改革にも関わらず、日本の繊維産業を取り巻く大きな環境変化も加わり、海外の低価格品との競争激化で衣料品や生活雑貨向けの戦時事業の業績は大きく落ち込んでいた。

住友商事, 四国電力 カタール国際入札で発電造水事業受注

住友商事(本社:東京都千代田区)と四国電力(本社:香川県高松市)は11月26日、韓国南部電力(以下、KOSPO)とKorea Overseas Infrastructure & Urban Development Corporation(以下、KIND)とともに、カタール送電水道公社(以下、Kahramaa)が実施した国際入札で、Facility E発電造水事業権益を受注。今回4社を代表して住友商事とKahramaaとの間で長期売電売水契約を締結したと発表した。
今後4社はカタール発電造水会社、カタール国営石油公社と共同で事業会社を設立する。これはカタールの首都ドーハから約25km南のRas Abu Fontas地区にある発電所跡地に、天然ガス火力発電所(2,400メガワット)と海水淡水化設備(49.5万トン/日)を新設し、運転する民活型発電造水事業。

JR東海 カーボンニュートラル実現へ水素動力車両開発推進

JR東海は11月26日、政府の2050年カーボンニュートラル政策に呼応、同社が推進している取り組みの一環として、軽油を燃料とする従来の気動車に代わる、水素を燃料とした「水素動力車両」の開発状況を明らかにした。この水素動力車両はHC85系ハイブリッドシステムをベースとし、動力源として燃料電池と水素エンジンを検討している。
今回、水素エンジンハイブリッドシステムの試作機が完成した。これは産業用のディーゼルエンジンをベースにiLabo(本社:東京都中央区)が開発した水素エンジンとJR東海のHC85系で使用している発電機、車両制御装置、蓄電池を組み合わせたシステム。水素エンジンは高い耐久性と出力密度、および高負荷域での高い効率が期待でき、また燃料電池と比較して低い水素純度でも運転できる特長がある。

阪大チーム がん免疫療法の副作用のたんぱく質を特定

大阪大のチームはこのほど、「がん免疫療法」の副作用と関わるたんぱく質を、マウスを使った実験で突き止めたと発表した。論文が科学誌サイエンスに掲載された。同チームは、このたんぱく質の働きを抑えれば、がんを攻撃する免疫細胞によって起きる副作用を軽減できる可能性があるとしている。
免疫細胞には、ウイルスやがんを攻撃して体を病気から守る「キラーT細胞」などと、逆にキラーT細胞などの働きにブレーキをかけて過剰な免疫反応を抑え、結果的にがんを保護することもある「制御性T細胞(Tレグ)」が存在する。免疫療法では、これらの免疫細胞に働きかけ、効果的にがんを攻撃させる複数の薬が開発されているが、全身で炎症が起きるなどの副作用が出やすいことが課題となっている。

上場企業4年ぶり減益 9月中間5.7%減 製造業が不振

東京証券取引所に上場する企業の2024年9月中間決算がほぼ出揃った。最終利益の合計は前年同期比5.7%減の20兆5,722億円で、4年ぶりに前年を下回った。製造業の最終利益は9.1%減の11兆461億円にとどまった。中国の景気減速などが影響し、製造業の落ち込みが目立った。非製造業の最終利益は1.4%減の9兆5,260億円だった。