「介護」カテゴリーアーカイブ

京大 iPS細胞でアルツハイマー病関連遺伝子を特定

京都大学の井上治久教授(神経内科学)らの研究チームは2月21日、アルツハイマー病患者からつくったiPS細胞を使い、病気に関わる複数の遺伝子を特定したと発表した。チームは患者102人の血液細胞からつくったiPS細胞を脳の神経細胞に成長させ、病気を細胞レベルで再現。細胞の遺伝子の働きなどを分析し、特定タンパク質に関係するとみられる24の遺伝子を特定した。さらにこのうち8の遺伝子は特定タンパク質の量の調節に関わることも分かった。
アルツハイマー病は脳内に特定のタンパク質が過剰に蓄積されることが原因とされる。

21年度の税・保険料「国民負担率」48.0%と過去最大の見込み

財務省によると、2021年度の国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す「国民負担率」は、前年度を0.1ポイント上回って48.0%となり、これまでで最大となる見込み。企業業績が回復したことで所得が増えたものの、法人税などがそれを上回る伸びとなったことから、負担率がわずかに上昇した。

日立 シニアの「社会参加」促し介護予防支援の新事業立ち上げ

日立製作所は2月15日、一般社団法人日本老年学的評価研究機構(以下、JAGES機構)との共同研究のもと、シニアの社会参加行動を測定し、データに基づく介護リスクの予測や介護予防のための行動介入を支援する新たな事業を立ち上げると発表した。
この事業の中核ツールとして、シニアの社会参加を促進するスマートフォンアプリ「社会参加のすゝめ」を2022年春にリリースし、一般向けに無償公開する。外出・行動状況の測定・見える化や、そのデータに基づいた健康アドバイス、JAGES機構の先行研究に基づくコンテンツ配信などを提供する。
今後この取り組みに賛同する企業や自治体などを幅広く募り、アプリを通じた介護予防効果をシニアに還元できるサービスなど、シニアの社会参加を促進するより良い仕組みの開発と社会実装を加速し、「人生100年時代」における健康長寿社会の実現に向けたエコシステムの構築に取り組む。

東北大 東北発・次世代介護ロボット研究開発拠点をオープン

東北大学は2月14日、青葉山キャンパスに介護ロボット・機器の開発企業を支援する実証・評価から2050年の未来介護を担う次世代介護ロボットの研究開発拠点「青葉山リビングラボ」をオープンしたと発表した。
同ラボは、約250㎡の介護環境を模擬したスペースに、各種計測装置や介護ロボット機器等を装備。2月21日にオンラインで開催される東北Kaigo-Tech実践研究会・第1回研究会で正式公開する。在宅介護模擬環境は3月末完成の予定。

日本 オミクロン対策の入国禁止措置は2月末まで 段階的緩和へ

日本政府は2月12日、新型コロナウイルスのオミクロン対策で導入している外国人を対象とする入国禁止措置について、現行期限の2月末まで維持する一方、3月以降は延長しない方向で調整に入った。感染状況を注視しながら、段階的に緩和する。一部の入国を例外的に認めている留学生らの扱いや、待機期間の短縮が焦点。政府の措置に対し、国内外で緩和論があることを考慮、方針を変更することになった。

大阪市 コロナで増加の商店街の空き店舗にオフィスなど誘致

大阪市は今秋から、新型コロナウイルスの影響で空き店舗が増えている商店街に賑わいを取り戻そうと、空き店舗をオフィスなどとして借りたい人や企業と、店舗の所有者をつなぐ取り組みを開始する方向で調整を進めている。
不動産関連の業界団体の賃貸情報サイトに、大阪市内の商店街の空き店舗情報を掲載するサイトを新たに設けることにしている。飲食店や小売店中心だった商店街に、オフィスも増やすことで空洞化を防ぐとともに、ビジネス関係者など商店街を訪れる人を増やしていくのが狙い。取り組みに必要な経費を新年度、令和4年度の予算案に盛り込む。
大阪府内の商店街などでつくる団体が、2021年11月にまとめたアンケート調査によると、新型コロナで商店街の空き店舗が全体でおよそ2割増加している。

こども家庭庁「300人上回る体制目指す」23年4/1設置

野田聖子少子化相は2月7日、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の人員について、300人を上回る体制を目指すと表明した。移管する内閣府や厚生労働省の職員を充てるほか、地方自治体や民間企業からも登用する。
2023年4月1日に設置する。政府は2月中にこども家庭庁の設置法案を閣議決定し、国会に提出する方針。

SOMPO系 23年度末までに訪問看護の拠点6割増の68カ所に

SOMPOホールディングス傘下で介護事業を手掛けるSOMPOケア(本社:東京都品川区)は、訪問看護事業の拠点を6割増やす。現在の43カ所から、2023年度末までに68カ所にする。介護拠点に併設し、介護スタッフとの連携を強化する。訪問看護の利用が少なかった、介護度が低い高齢者にも対応を広げ、病気や認知症などの早期発見につなげる。日本経済新聞が報じた。

日本 40年の成長目標達成には674万人の外国人労働者が必要

国際協力機構(JICA)などの推計によると、政府が掲げる経済成長を2040年に達成するためには674万人の外国人労働者が必要なことが分かった。これは現在の4倍近い規模。ベトナムをはじめアジア地域からの人材確保が期待されるが、推計では自国の経済成長によって日本で働こうという意欲が次第に薄れる国もあり、42万人の労働力が不足するとも分析している。
受け入れ側、就労・派遣先の意識改革を含め、当面「特定技能」の運用の拡大強化につながる、抜本的な対策強化が求められる。

帝人ファーマ ライセンス先がアルツハイマー治療薬の治験開始

帝人ファーマ(本社:東京都千代田区)は2月1日、2017年にアルツハイマー病治療薬候補「抗リン酸化タウ抗体」の独占的開発・製造・販売権を供与するライセンス契約を締結したMerck&Co.,Inc.Kenilworth,N.J.,U.S.A(北米以外ではMSD)が、このほど臨床試験(治験)を開始したと発表した。これにより、同社はライセンス先より臨床試験開始のマイルストーン(一時金)を受領した。
帝人ファーマはライセンス先より契約一時金および開発・承認の成功に応じた対価、販売額に応じた対価を受け取る権利を持っている。
国際アルツハイマー病協会発表のデータによると、認知症の患者数は2030年には全世界で7,600万人、2050年には約1億3,900万人に達するといわれている。その認知症の中で最も多いとされているのがアルツハイマー病。