「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

トヨタ「ウーブン・シティ」開業, 街全体が実証実験場

トヨタ自動車が建設した次世代都市「ウーブン・シティ」(所在地:静岡県裾野市)が9月25日、開業した。ウーブン・シティ全体の敷地面積は約30万㎡。トヨタの子会社、ウーブン・バイ・トヨタが都市の主な開発を担う。
街全体を実証実験場に、トヨタグループや三角企業ら計20社で始動した。参画企業と人工知能(AI)や自動運転、ロボットなど新たな技術やサービスを開発する。2026年以降に、一般市民も実証実験に加わり、第1期エリアには最終的に約300人が居住する計画。
25日に開業したのは第1期エリア(約5万㎡)で、居住施設や実験施設など計14棟。居住施設には同日からトヨタ関係者ら数世帯が入居を始めた。

パナソニック世界初125度の高温でも充放電「全固体電池」

パナソニックホールディングス(HD)は9月18日、次世代電池の本命と期待される「全固体電池」で、産業機械や車載センサー向け電池の生産に乗り出すと発表した。グループのパナソニックエナジーが開発した。
これは、125度の高温でも充放電可能な世界初の電池としている。来年度からサンプリ出荷を開始する予定で、実用化されればパナソノックグループ初の全固体電池となる。

”核融合発電”開発先行の米企業に日本大手12社が出資

次世代のエネルギー源として世界的に開発競争が激しくなっている「核融合発電」を巡り、日本の大手商社や電力会社など大手企業12社が、開発で先行している米国の企業に出資したことが明らかになった。
核融合発電の開発で先行している米国のコモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)が9月3日、東京都内で会見し、発表した。出資した12社は三井物産、三菱商事、関西電力、NTTなど。出資額は明らかにしていないが、関係者によると合わせて数十億円規模に上るという。

米FDA 塩野義の新型コロナ予防薬の承認申請を受理

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は9月3日、新型コロナウイルスの経口予防薬エンシトレルビル フマル酸(日本での製品名:ゾコーバ(R))について、米国グループ会社、Shionogi Inc.(所在地:米国ニュージャージー州)が、新型コロナウイルスの曝露後予防を適応症として米国食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行い、受理されたと発表した。FDAの審査終了目標日は2026年6月16日。
FDAで承認されれば、新型コロナウイルス予防薬として使用可能な世界初かつ唯一の経口ウイルス薬となる。

住友重機械 太陽電池用電子輸送層の成膜技術を開発

住友重機械工業(本社:東京都品川区)は8月18日、次世代の太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池に欠かせない「電子輸送層」と呼ばれる極薄の膜を安価な材料を用いて環境負荷の少ないプロセスで形成する新規技術の開発に成功したと発表した。
同社独自技術の「反応性プラズマ蒸着法(RPD法)」を用いることで、ペロブスカイト太陽電池の電子輸送層に適する酸化スズ(SnO2)のみの膜を形成する新技術の開発に成功した。

大阪メトロ 大阪港で9月「空飛ぶクルマ」飛行見学会

大阪メトロは8月7日、「空飛ぶクルマ」のデモ飛行見学会を9月15日から大阪港のポート(発着場)で開催すると発表した。見学会は7日間にわたって1日2回開催し、募集人員は各回先着100人。
スカイドライブ(本社:愛知県豊田市)が開発した、3人乗りの機体「SKYDRIVE」が会場周辺を数分間飛行する。大阪メトロとスカイオドライブは、2028年をめどに大阪市東部の森之宮エリアで空飛ぶクルマの乗車サービスを始める計画。

政府の生命倫理調査会 iPS細胞から受精卵作製認める

政府の生命倫理専門調査会は7月24日、不妊症や遺伝性疾患の研究に限定して、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)などからつくった卵子や精子による受精卵の作製を認める報告書を大筋で取りまとめた。培養期間は通常の受精卵研究と同様、最大14日まで。ただ、人や動物の子宮への移植は禁止する。政府はこの報告書に基づき、関連指針の改正などを検討する方針。

大成建設 時速60㌔走行のEVに電極埋設道路で無線給電

大成建設(本社:東京都新宿区)は7月18日、舗装時に埋設した電極を通じ、時速60kmで走行する電気自動車(EV)に無線で給電する技術を開発したと発表した。福島県田村市のグループの研究開発拠点に、無線給電できる道路を20m設けて実証した。
従来の無線給電は車が停止した状態か、低速で走行する場合に限られており、高速走行車の給電は国内初という。同社はこの技術を活用し、”無線給電道路”として高速道路などへの採用を目指す。

滋賀県草津市 人工衛星で水道管の漏水を把握 県内初導入

全国で水道管が破損し、地表に水があふれる事故・被害が続出しているが、滋賀県草津市はこのほど、人工衛星を活用し、地下で起きた水道管の漏水を早期に発見する取り組みを6月から県内で初めて導入したと発表した。
これは人工衛星から地面に特殊な電波を照射し、地中で漏れた水道水特有の反射波のデータをAI(人工知能)が解析することで、水道管の漏水が疑われる地点を見つける仕組み。地下およそ3m、半径100mの範囲で特定することができるという。
草津市によると、現地で探知機などを使った市内全域の水道管調査で5年かかっていたが、人工衛星を使うことで1年半に短縮できるという。市ではこの取り組みにより、効率的な修繕につなげたいとしている。

大阪大学病院 3つ子などの「減胎手術」の外来診療開始

大阪大学医学部附属病院はこのほど、3つ子などを妊娠した場合、母体を守るため、人工的に胎児の数を減らす「減胎手術」の外来診療を開始したと公表した。公的な医療機関が減胎手術を念頭にした外来診療の実施を明らかにするのは初めてとみられ、同病院は妊婦が安心して手術を受けられる環境づくりにつなげたいとしている。
減胎手術は母体を守るため行われているが、国内ではルールが十分正母されておらず、一部のクリニックを除き、手術の実施を公にしていないという。同病院では3つ子以上の妊婦と、双子を妊娠し、重い合併症がある妊婦合わせて10人を対象に減胎手術の臨床研究を行ったうえで、今回外来診療を開始。これまでに2人の妊婦に対して手術を行ったという。