「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

ハンセン病患者に開発中の薬投与 戦中戦後 被験者472人

国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(所在地:熊本県合志市)の調査委員会は6月24日、同園で戦時中から戦後にかけて行われた、ハンセン病患者に開発中の薬を投与した臨床試験の実態調査の中間報告書を公表した。これは1942年12月から1947年6月まで続けられたハンセン病患者に「虹波」と呼ばれる開発中の薬を投与していたもので、被験者は判明しているだけで472人に上っている。
初期の頃には入所者の3分の1が参加。激しい副作用だあったが、当時の医師らは中止しなかったとしている。臨床試験中に9人が死亡し、うち2人がとくに副作用の影響が疑われるという。虹波は写真の感光剤を合成した薬剤で戦時中に旧日本陸軍が寒冷地での兵士の凍傷対策など肉体強化に役立つと考え、研究開発していたとされる。

絶滅危惧種ホッキョクオオカミの赤ちゃん誕生 国内初

栃木県那須町の「那須どうぶつ王国」は6月24日、幻の白いオオカミと呼ばれる絶滅危惧種「ホッキョクオオカミ」の赤ちゃん2頭が誕生したと発表した。日本の動物園でホッキョクオオカミの赤ちゃんが誕生したのは初めて。2頭は雄と雌。22日時点で雄の体長約40cm、体重約3,910g、雌が体長約40cm、体重約3,010g。

万博 咲州庁舎に常設窓口 参加国の相談をワンストップで対応

2025年大阪・関西万博の運営主体、博覧会協会は6月24日、大阪府の咲州庁舎(所在地:大阪市住之江区)に参加国などからパビリオン整備や開幕後の運営についての相談に対応する常設の窓口「ワンストップショップ(OSS)」を開設した。パビリオン内のレストランの営業などの行政許可や、銀行口座の開設手続きを一つの窓口で完結できるようにした。万博に向けた準備を迅速かつ円滑にするのが狙い。

サウジアラビア・メッカ巡礼者1,300人以上が熱中症で死亡

サウジアラビアのジャラジェル保健相は、イスラム教徒が聖地メッカを一斉に訪れる大巡礼「ハッジ」で、熱中症などにより1,300人以上が死亡したと発表した。今年は年に1度のハッジが6月14日から19日まで、メッカの気温が50度を超える猛暑の中で行われ、世界各地から集まった180万人が参加した。
同保健相は、亡くなった人の8割以上が大巡礼に必要なビザを取得しておらず、猛暑の中、宿泊施設や移動手段を適切に利用しなかったことが死亡に繋がったと説明している。

オーバーツーリズム防止・抑制へ モデル地域を選定へ 観光庁

日本を訪れる外国人旅行者の増加に伴い、全国各地で「オーバーツーリズム」が起き、地元住民の暮らしに影響が出ていることを受け、観光庁はオーバーツーリズムの防止や抑制に向けた対策を進めるモデル地域を、7月にも新たに選定し国の支援を拡大する方針だ。
観光庁は今年3月、神奈川県の「箱根」や岐阜県の「白川郷」など全国20の地域を選定した。さらに5月に追加の募集をした後、審査を行っており、7月にもモデル地域を選定し、国の支援を拡大する。対策には国から8,000万円を上限に費用の3分の2が補助される。

競馬の宝塚記念 ブローザホーンG1初勝利 前半戦代表に

ファン投票選出馬による今年の前半の代表馬を決める第65回宝塚記念(G1、2200m芝、13頭出走)は6月23日、京都競馬場で行われ、3番人気のブローザホーン(菅原明良騎乗)が2分12秒0で制し、1着賞金2億2,000万円を獲得した。同馬はG1初勝利。菅原騎手、吉岡辰弥調教師ともにG1初制覇。
ブローザホーンは終始、後方でレースを進め脚をため、最後の直線で力強い末脚で先行馬を差し切った。2馬身差の2着に7番人気のソールオリエンス、さらに首差の3着に5番人気のベラジオオペラが入線。1番人気に支持されていたドゥデュースは、直線伸びを欠き6着に敗れた。

沖縄戦から79年「慰霊の日」 戦没者総数24万2,225人に

沖縄県は6月23日、太平洋戦争(1941〜1945年)末期の沖縄戦で犠牲になった人々を悼む「慰霊の日」を迎えた。1945年、79年前のこの日、多数の住民を巻き込んだ地上戦の末、旧日本軍の組織的戦闘が終結したとされる。国籍、軍民を問わず、沖縄戦の戦没者名を刻んだ石碑「平和の礎(いしじ)」には今年、戦艦大和の乗組員181人が追加刻銘され、総数は24万2,225人となった。
沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では沖縄県と同県議会主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれた。追悼式には玉城デニー知事や岸田首相、衆参両院議長、遺族代表らが参列し、御霊に黙とうを捧げ、平和への誓いを新たにした。

藤井聡太八冠「叡王」戦 敗れる 伊藤匠七段が初タイトル

将棋の第9期叡王戦五番勝負の第5局が6月20日、甲府市で指され、挑戦者の伊藤匠七段(21)が藤井聡太叡王(21)を破り、対戦成績を3勝2敗とし、初タイトルを手にした。藤井八冠は初めての失冠で、将棋界の全タイトルを独占した八冠期間は約8カ月で終わった。伊藤新叡王は3度目の挑戦で初めてタイトルを奪取した。

韓国尹大統領が「人口非常事態」宣言 少子化克服へ総力態勢

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は6月19日、ソウル市郊外で開かれた「少子高齢社会委員会」に出席し、「本日をもって、人口国家非常事態を正式に宣言する。少子化問題を克服するまで国家的な総力態勢を敷く」と表明した。そのうえで、尹氏は「青年たちの結婚費用の負担を軽減するため、結婚時の税額控除を追加し、子どもの税額控除も拡大する」などの方針を明らかにした。

東京都知事選の有権者 過去最多の1,153万人 4年で6.4万人増

東京都選挙管理委員会がまとめた都内の有権者数は、6月19日時点で1,153万3,132人(男性562万838人、女性591万2,294人)だった。過去の都知事選で最も多かった前回、2020年に比べおよそ6万4,000人増え、最多を更新した。区市町村別にみると、世田谷区の77万3,083人が最も多く、以下、練馬区(62万1,083人)、大田区(62万323人)が続いている。
東京都内への人口流入は、新型コロナウイルス禍で”密”を避けるよう再三、呼び掛けが行われた際、一時的に流出が流入を上回る現象もみられたが、コロナ沈静化後は若年世代を中心に再び流入増加が続いている。