「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

郵便料金値上げへ 10月から手紙110円, はがき85円に

日本郵便は6月13日、総務省に10月1日に行う手紙の料金を現行の84円から110円とすることなど、郵便料金を一斉に値上げする届け出を行った。利用数の減少や物流コストの上昇がその要因。
具体的には定形郵便物の手紙は重さ25g以下の料金が現行の84円から110円に、50g以下の料金が現行の94円から110円にそれぞれ引き上げられ、区分を統合して同じ料金とする。はがきは現行の63円から85円に値上げされる。速達の追加料金は重さ250gまでの料金は現行の260円から300円に、レターパックライトは現行の370円から430円に、レターパックプラスは520円から600円のそれぞれ引き上げられる。
定形郵便物の値上げは、消費増税時を除けば、1994年以来30年ぶりとなる。

EU 中国製EVに最大38.1%の追加関税 7/4から実施

欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は6月12日、中国製の電気自動車(EV)の輸入に関して最大38.1%の追加関税を課すと発表した。これにより現行の10%から最大48.1%に上がる。7月4日から実施される。
欧州委員会は2023年10月から、低コストEVを可能にしているとみられる、中国政府から補助金を受けた安価なEVが欧州市場に流入している実情について調査を開始。その結果、競争を不当に阻害していると判断した。

鹿島 安価で締固めが不要な「LACsコンクリート」開発

鹿島は6月12日、鉄筋コンクリート構造物の施工の生産性向上を目的に、安価で締固め作業が不要な高流動コンクリート「LACsコンクリート」(ラックスコンクリート)を開発したと発表した。これを実工事に初導入した結果、普通コンクリートで施工した場合と比べ、作業人数を約80%削減、打設時間を約60%短縮できることを確認した。同社は今後、LACsコンクリートを各現場に導入、展開し、コンクリート打設作業の効率化を進めていく。

サントリーHD タイで再生農業の手法でサトウキビ栽培開始

サントリーホールディングス(本社:大阪市北区)は6月11日、サトウキビを主とした農産品の持続可能な調達を支援する国際団体、VIVEおよびタイ有数の製糖会社、Kaset Thai International Sugar Corporation Public Co.,Ltd.(以下、KTIS社)と協働し、タイで再生農業の手法によるサトウキビ栽培を開始すると発表した。サトウキビ栽培における脱炭素促進策の一環。
VIVEは持続可能な砂糖調達を目指し、2015年に設立された、加工業者・製造業者を中心に80以上の組織が参加する国際団体。KTISは世界最大級のサトウキビの圧搾工場を所有、サントリーグループのタイにおける砂糖サプライヤーの1社。

パナソニックE タイ セブン1,000店舗で使用済み乾電池回収

パナソニックエナジー(本社:大阪府門真市)は6月10日、長期的な環境負荷の軽減に貢献することを目的に、CP ALL Public Company Limited(以下、CP ALL)と協業し、2022年からタイ国内のセブン・イレブンで進めてきた使用済み乾電池の回収が2024年3月に、目標だった1,000店舗で回収ボックス設置を達成、リサイクルスキームを確立したと発表した。
また同時期に使用済み電池を再利用可能な経済価値のある材料に溶解する電炉「ECOARC(TM)Furnace」を有するタイ製鉄会社のUMC Metals Ltd.と協業。この技術により再利用可能な材料を取り出す事が可能となり、電池リサイクルを通じたサーキュラーエコノミー構想を加速していくとしている。

白血病治療薬 ALS[症状の進行抑える効果 治験で確認 京大

京都大学iPS細胞研究所の井上治久教授などのグループは6月12日、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者に白血病の薬として使われている薬を投与したところ、症状の進行を抑える効果が確認できたとする、第2段階の治験の結果を発表した。
この薬はボスチニブで、同グループは5年前から患者での治験を開始。今回、発症から2年以内の患者26人を対象に半年間にわたって投与し、薬を投与されていないグループと比較したところ、症状の進行を抑える効果が確認されたという。

「ドクターイエロー」27年引退へ 新幹線の検査専用車両

JR東海およびJR西日本は6月13日、新幹線の検査専用車両「ドクターイエロー」の検測走行を2025年から2027年をめどに終了すると発表した。老朽化などが理由。JR東海は2025年1月末をもって、JR西日本は2027年をめどにそれぞれ引退する。
ドクターイエローは東海道・山陽新幹線の線路を営業車両と同じ速度や条件で走行しながら、線路に歪みがないか、架線の摩耗、設備に異常がないかなどを検査する車両。車体が鮮やかな黄色のため、その愛称で親しまれている。現在、JR東海、JR西日本が1編成ずつ保有している。

オリンパス インド・ハイデラバードのR&D拠点立ち上げ

オリンパス(本社:東京都八王子市)は6月12日、インドテランガナ州ハイデラバードに研究開発戦略の一環で「オフショア・デイべロップメント・センター(以下、ODC)」の活動を開始したと発表した。最初の取り組みとして、グローバルにITサービスを提供するHCLテクノロジーズ社(以下、HCLTech、本社:ウッタルプラデシュ州)との戦略的合意に基づき、オリンパスのイノベーション創出を推進するとともに、研究開発体制をさらに強化していく。
ODCの設立とともに、ハイデラバードで数年後の自社研究開発センターの開設を目指して準備を進めていく。自社の研究開発センターとしては、日本、米国、欧州に続く拠点となる予定。

シーテックなど 洋上風力発電の低コスト化P NEDOに採択

シーテック(幹事会社)、日立造船、鹿島建設、北拓、商船三井の5社は6月11日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が公募した「グリンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」の浮体式洋上風力実証事業に、コンソーシアムを構成して、「愛知県沖浮体式洋上風力実証事業」に共同提案し、同日採択されたと発表した。
この事業は発電事業者と浮体メーカー、ゼネコン、風力発電メンテナンス企業、総合海運企業の各社が、これまで培ってきた技術力を融合し5社共同で浮体式洋上風力発電システム全体を対象とした技術開発に取り組み、2030年度までに一定状況下(風況等)における浮体式洋上風力を、国際競争力のある価格で商用化する技術の確立を目指すもの。
実証区域は愛知県田原市・豊橋市沖、実証期間は2024年7月〜2031年3月の予定。実証基数1基、風車出力15MW(メガワット)超(予定)。

王子HD VOC発生量の少ない射出成形用複合ペレット開発

王子ホールディングス(本社:東京都中央区)は6月11日、木質由来のセルロースを補強繊維とし、かつVOC(揮発性有機化合物)発生量の少ない射出成形用セルロース樹脂複合ペレットを新たに開発したと発表した。この開発品は、原料となる木材パルプを厳選することで、射出成形時に発生するアセトアルデヒドを最大40%削減できる。これによりVOC発生がネックとなっていた大型の自動車用内装材などへの適用の可能性が広がるとしている。今後”タフセルペレットVF”の名称でサンプルワークを行い、製品化を目指す。