「つなぐ」カテゴリーアーカイブ

全国14水道でPFAS基準超え 20〜23年度 24年度はゼロ

環境省と国土交通省は11月29日、全国の水道事業者が実施した水質検査の結果、健康への悪影響が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」のうち「PFOS」「PFOA」について、2020年度から2023年度にかけ、全国の14カ所で国の暫定目標値を一時的に上回っていたことを明らかにした。2024年度は9月末時点で暫定目標値を上回る水道事業者はなかった。2020年度は東京都や神奈川県座間市など11カ所、2021年度は兵庫県西脇市など5カ所で国の目標値を上回った。

デンソー, 富士電機 パワー半導体で協業 2,100億円投じ増産

自動車部品大手のデンソーと半導体大手の富士電機は、脱炭素化で需要が高まるパワー半導体の生産で協業することになった。両社は合わせて約2,100億円を投じ、電気自動車(EV)などパワー半導体を共同で増産する。経済産業省は両社に最大約700億円を補助し、国内勢の生産基盤強化を後押しする。
今回の協業で、デンソーは省エネ性能の高い炭化ケイ素(SiC)向けウェハーなどの半導体基板を、富士電機はSiC半導体の生産をそれぞれ分担する形で集約化を図る。

「新しい認知症観」理解促進へ 認知症施策基本計画を了承

政府は11月29日、認知症施策推進本部を首相官邸で開き「認知症施策推進基本計画」案を了承した。近く閣議決定する。石破首相は認知症になっても「当事者が住み慣れた地域で、周囲とのつながりから希望を持って暮らし続けられる社会の実現が必要だ」としている。基本計画には、こうした「新しい認知症観」への理解促進などを盛り込んでいる。

豪 16歳未満のSNS利用禁止へ 上下院可決 施行は1年後

オーストラリア議会上院は11月28日、16歳未満のSNS利用を禁じる法案を賛成多数で可決した。同法案は27日に下院を通過しており、近く連邦総督の裁可を受けて成立する。オーストラリア成府によると成立後、1年の猶予期間を経て施行される。子どもの人権を守る法案だが、SNSの利用を禁じる法案は世界初。
SNSを介した子どものいじめや性犯罪、有害な投稿の閲覧を防ぐのが狙い。SNSを運営する企業に対し、子どもがアカウントを持つことを防ぐ合理的な措置を求め、違反した場合は最高4,950万豪ドル(約50億円)の罰金を科す。

マイナ保険証で25年度から電子カルテ 病院間で共有へ

政府は、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を利用する患者の電子カルテ情報について、医療機関同士で共有する新システム「電子カルテ情報共有サービス」の運用を、2025年度に始める方針を固めた。この新システムは厚生労働省所管の法人が管理する。
これにより、各医療機関から電子カルテに記録された病名やアレルギー、感染症と生活習慣病の検査や健診結果、処方箋の情報が集まり、データベースに蓄積される。データの保存期間は3カ月〜5年間となる。全国の医療機関がデータを閲覧するためには、患者の同意を得る必要がある。
新システムが導入されると、救急患者の症状と、データを突き合わせて診断したり、初診患者の検査結果を、過去の数値と比べて病状の変化をみたりすることが可能になる。また、アレルギー情報は安全な薬剤の処方に役立つ。

危険運転 法改正へ ”速度”や”飲酒”に数値基準を新設

法務省は、悪質な運転による交通事故を適正に処罰するため、自動車運転死傷行為処罰法の危険運転致死傷に関する規定を改正する方針を固めた。高速度や飲酒運転による事故への適用要件を明確化するため、速度や運転者のアルコール濃度について数値基準を新設する。車のタイヤを横滑りさせながら運転する「ドリフト走行」も処罰対象に加える方向。早ければ年度内も法制審議会に諮問し、具体的な数値や要件などを固める。

日立 台湾MRT設置用昇降機147台受注 地震時 検知機能搭載

日立製作所は11月28日、台湾で建設中の都市高速鉄道(MRT)に設置されるエレベーターなど昇降機147台を受注したと発表した。受注額は非公表。昇降機関連では台数、金額ともに台湾では過去最大規模。昇降機の内訳はエレベーター41台、エスカレーター106台。同社の子会社、日立永大電梯を通じて受注した。すべてのエレベーターには、地震時、閉じ込めを防ぐ検知機能が搭載される。

訪日客の免税制度 26年度にも出国時返金に変更 不正横行で

政府・与党は、訪日観光客に適用される消費税の免税制度について、2026年度にも出国時に国外へ持ち出す商品を確認して消費税分を払い戻す「返金(リファンド)方式」に変更する方向で調整に入った。日本国内で購入時に免税している現行制度では、その後に転売するなどの不正が横行しているとの指摘があるからだ。
与党の税制調査会が詳細を詰め、今年末にまとめる2025年度税制大綱に盛り込む。
税関の調査では、2022年度に1億円以上の免税品を購入して出国した374人のうち、税関が購入を把握して検査できたのは15.2%の57人にすぎず、ほとんどの人は無申告で出国していた。さらに免税品の検査をした57人のうち、56人は持ち出しなどを確認できず、消費税を支払う必要があったが、55人は納税せず出国し、滞納額は18億5,000万円に上ったという。

何副首相と会談 関西財界訪中団 関係強化, 万博協力確認

関西財界訪中代表団は11月27日、何立峰副首相と北京市の人民大会堂で会談し、日中関係の改善・強化に向けた協力を確認した。何氏は経済担当の副首相として産業・貿易政策に大きな権限を持つ。
今回の訪中代表団の共同代表を務めた、関西経済連合会の松本正義会長は中国側にビジネス環境の改善を求めたのに対し、何氏は「ウィン・ウィンの発展が大切だ」と応じたという。また、2025年4月に開幕する大阪・関西万博に合わせて、中国政府が代表団を派遣する考えが示された。

繊維大手ユニチカ 赤字続きの祖業の繊維事業から撤退へ

大手繊維メーカー、ユニチカ(本社:大阪市中央区)は赤字が続いていた祖業の繊維事業から撤退する方針を固めた。需要が伸びている食品包装や半導体関連の材料に使われるフィルム事業に経営資源を集中する。これに伴って、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などの主力銀行も300億〜400億円規模の債権放棄を行う方向で調整する。
同社のルーツは尼崎紡績で、1889年に創業した後、天然繊維の紡績工場から脱却、黎明・成長期の化合線繊維の製造を手掛ける中、主力メーカーの一角として、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど化合繊繊維事業を拡大し、日本の繊維産業の近代化や戦後の高度経済成長を支えた。
ただ、近年は様々な構造改革にも関わらず、日本の繊維産業を取り巻く大きな環境変化も加わり、海外の低価格品との競争激化で衣料品や生活雑貨向けの戦時事業の業績は大きく落ち込んでいた。