「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

NTT, ユーグレナ 中性子線照射で藻類の品種改良技術確立

日本電信電話(本社:東京都千代田区、以下、NTT)とユーグレナ(本社:東京都港区)は7月4日、世界で初めて中性子線照射による遺伝子変異導入を用いた藻類の品種改良に成功したと発表した。これにより、藻類のCO2吸収量向上や、目的に応じた有用性を高めた藻類を品種改良・生産することで、気候変動に係る様々な課題を解決する基盤技術と期待される。
これまでの藻類の品種改良法では、培養液など水分を含む物質の透過性が低い電磁波や重粒子線を用いた遺伝子変異の導入が試みられてきた。だが、培養液中で生育する藻類細胞の大部分に対しては効果が及ばないという課題があった。

東京ガス e-メタン設備が初のクリーンガス設備の認定取得

東京ガスは7月1日、2022年3月より運転している「横浜テクノステーション メタネーション実証設備」が、クリーンガス証書制度における「クリーンガス製造設備」の認定を取得したと発表した。
今年4月から運用が開始されたこの制度で、e-methane(e-メタン)を製造する設備が「クリーンガス製造設備」の認定を取得するのは日本初となる。同設備では横浜市と三菱重工業グループと共同で同事業を進める。横浜市資源資源循環局鶴見工場の排ガスから分離・回収したCO2と、メダワット級水電解装置で製造するクリーン水素(H2)を主たる原料としてe-メタンを製造する。

トヨタ中国合弁 ファーウェイと協業 新技術活用のEV25年発売

トヨタ自動車の中国合弁、広汽トヨタが6月28日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の技術を使った新型の電気自動車(EV)を市場に投入すると発表した。様々な情報を車内で表示する「スマートコックピット」で協業し、2025年に発売するEVに開発する新技術を搭載する計画だ。日本経済新聞が報じた。

サハ東急, SPI,SkyDrive タイで「空飛ぶクルマ」事業を検討

東急(本社:東京都渋谷区)は6月28日、タイ大手財閥系企業サハグループとの合弁会社、サハ東急コーポレーション(以下、サハ東急)が、次世代エアモビリティ、空飛ぶクルマの開発・製造を手掛けるSkyDriveと、サハグループの中核企業、サハ・パタナ・インターホールディング(以下、SPI)の3社間で、タイにおける将来的な空飛ぶクルマを用いた事業実現可能性調査のための基本合意書を同日、締結したと発表した。
これに基づき、自動車による慢性的な交通渋滞や排気ガスによる環境汚染が社会課題となっているタイで、空飛ぶクルマ事業化を目指す。まずサハ東急が事業拠点の一つとしているシラチャを出発点として、SkyDriveが開発する空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SD-05)」を活用したユースケースを検討する。

KDDIとJAL ドローン3機を操縦者1名で同時運航, 配送に成功

KDDI(本社:東京都千代田区)と日本航空(本社:東京都品川区、以下、JAL)は6月28日、埼玉県秩父市吉田地区で5月15日に行った実証実験で、1名の操縦者が都内より遠隔操縦のうえ、ドローン3機体を同時に運航し、防災用品・食品を配送することに成功したと発表した。この実証はドローンの搭載カメラから歩行者を確認するなど一定の条件を満たせば地上の補助者や立ち入り管理措置が不要となるレベル3.5飛行で実施した。今回の実証はNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する「次世代型モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト<ReAMO(リアモ)プロジェクト>」の一環として行われた。

ソフトバンクG, 米Tempus 先進医療AI「SB TEMPUS」設立

ソフトバンクグループは6月27日、米国のAIと精密医療のリーディングカンパニー、Tempus AI Inc.(以下、Tempus)との合弁会社「SB TEMPUS(エスビー天パス)」(所在地:東京都港区)を設立すると発表した。両社は7月に想定されるクロージング完了をもって、新会社にそれぞれ150億円を出資する。この新会社は、Tempusが米国で蓄積した知見や技術を応用した個別化医療を支援するサービスを日本で提供し、日本の医療のさらなる進歩を目指す。

リコー, 関西大 宇宙用ペロブスカイト太陽電池の実証実験

関西大学とリコーは6月25日、今秋に宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられる、関西大学が開発した超小型衛星「DENDEN-01」に宇宙用ペロブスカイト太陽電池を搭載、実証実験を行うことになったと発表した。実証実験では、衛星の傾きと照度に対しての発電量をモニタリング、宇宙空間での耐久性を評価。取得したデータは関西大学、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、リコーの3者で検証する予定。実用的なペロブスカイト太陽電池の直列モジュールを用いた宇宙実証は国内初となる。

塩野義「新型コロナワクチン」厚労省承認を取得 起源株対象

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は6月24日、新型コロナウイルス発生初期の起源株を対象に開発したワクチンが、同社として初めて厚生労働省の製造販売承認を取得したと発表した。実用化の予定はないが、変異ウイルスに対応した今後のワクチン展開につながる。
今回承認されたワクチンは「組み換えタンパク型」と呼ばれる仕組みを採用。従来のインフルエンザワクチンなどと同じ製法。新型コロナワクチンの主流の「メッセンジャーRNA型」よりも、発熱などの副作用が少ないという。

TOYO タイのCirPlasと混合廃プラ油化技術の共同開発で協業

東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市)は6月24日、タイのSCGケミカルズの関連会社、CircularPlas Company Comapany Limited(以下、CirPlas)が保有する使用済み廃混合プラスチックの油化技術による石油化学原料化プロセスに関して、スケールアップおよび事業機会拡大のための協業に関する共同開発契約書(JDA)を締結したと発表した。
両社のパートナーシップを強化し、商業化や第三者へのライセンシング供与するための技術・ビジネス両面での開発を促進するため、当該合意書を締結した。この技術はすでにタイ・ラヨーン県の混合廃プラスチック油化実証プラントで活用され、循環型プラスチックの製造を行っている。

川崎重工 26年めどに民間地下シェルター換気装置を事業化

川崎重工業(本社:神戸市中央区)は6月20日、2026年の市場投入を目標に、国内で初めて民間防衛用や災害用地下シェルターの試作機を完成させ、2024年5月から実証実験を始めていると発表した。これにより、基本機能を検証し、さらなる改良と必要な性能確認を行っている。
地下シェルター用換気装置に求められる外気中のエアゾル遮断に、同社が開発したガス透過膜を用いた新しい換気システム「SEPERNA(R)」を、有毒ガス除去には特殊な化学フィルター適用することで、それぞれの課題を解決している。