「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

市街地出没のクマの銃猟可能に 法改正へ条件付き緩和案

環境省の専門家部会は7月8日、鳥獣保護管理法を改正し、市街地での銃猟が可能となる要件を条件付きで緩和する対応方針をまとめた。
法改正により①住宅街で大型獣による人身被害の恐れが生じている場合②建物内にクマが入り込んだ場合③住宅街で箱罠(わな)を使ってクマを捕獲した場合ーに、銃による殺処分を可能とする。ただ、現場で対応する自治体職員や捕獲者の負担が増すことを懸念する声も上がっており、捕獲命令系統の整備や、捕獲・銃猟者の人材育成も課題となる。
全国でクマによる人身被害が相次いでいる中にあっても、現在は住宅密集地などでの銃猟は原則禁止されており、警察官職務執行法に基づき、警察官が命じた場合などに限られている。

5月実質賃金1.4%減 マイナスは26カ月連続 過去最長更新

厚生労働省が7月8日公表した5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月から1.4%減った。マイナスは26カ月連続で、3月、4月に続いて過去最長を更新した。大手企業中心に賃上げが相次いだ今春闘の結果が反映され、現金給与額は上昇したが、物価高騰に追い付かない状況がなお続いている。
名目賃金にあたる現給与総額は1.9%増の29万7,151円で、29カ月連続のプラス。一方、統計の算出に用いる消費者物価指数が3.3%上昇し、差し引きで実質賃金はマイナスだった。

「広重 -摺の極-」国内外から作品330点集めた歌川広重展

国内外から330点の作品を集めた「広重 ー摺の極(すりのきわみ)-」と題した浮世絵師・歌川広重(1797〜1858年)の展覧会が7月6日、大阪市阿倍野区のあべのハルカス美術館で始まった。同展覧会は前半と後半に分け、作品を入れ替えて開かれる。9月1日まで。
歌川広重は風景画の浮世絵で、葛飾北斎とともに人気を集め、『名所江戸百景』はオランダのゴッホが構図や画法を模写したことでも知られる。
広く知られる代表作『東海道五拾三次』から『日本橋 朝の景』『蒲原 夜の雪』など、晩年の代表作『名所江戸百景』から『深川洲崎十万坪』など、このほか、広重が世に知られる前の初期の作品や美人画なども数多く展示されており、広重の様々な魅力に触れることができる。

イランに19年ぶり改革派大統領誕生 政権運営は不透明

米国との対立が続いてきたイランに、両国の対話に前向きな姿勢を取る改革派の大統領が19年ぶりに誕生した。7月5日の大統領決選投票で、マスード・ペぜシュキアン氏(69)が勝利した。有権者の過半数は、「米欧を含め世界全体と交流できるイラン」を選択したが、国のトップに君臨する保守強硬派のハメネイ師が果たして、経済制裁緩和・解除を目指し、米欧に接近を図る新大統領の改革路線を容認するのか?有権者との板挟みで、政権運営がスムーズに進むとはとても考えにくい。したがって、イランに対して強硬派のトランプ氏優勢が伝えられる米国大統領選挙の行方とからみ、イランの先行きは不透明だ。

関西の1〜6月倒産 25%増の1,264件 10年ぶり高水準

東京商工リサーチ関西支社のまとめによると、近畿2府4件の2024年1〜6月の倒産件数(負債額1,000万円以上)は、前年同期比25%増の1,264件だった。1〜6月の倒産件数が1,000件を超えるのは2年連続で、2014年(1,282件)以来の高水準となった。新型コロナウイルス禍での資金繰りを支援す実質無利子・無担保の融資制度「ゼロゼロ融資」の返済が追い付かない企業が増え、コロナ関連の補助金の支給がなくなったことや、長期にわたる物価高騰が影響し倒産増加につながった。負債総額は14%減の1,346億2,900万円だった。
倒産件数を産業別にみると、飲食」・サービス業の倒産が増えた。とくに飲食業の倒産は67%増の180件に上り、リーマン・ショックの影響を受けた2009年1〜6月の178件を上回った。

供給網強化へ連携合意 経団連が「アジア・サミット」

経団連は7月5日、カジア各国の経済団体首脳らを東京都内に招いて、第13回「アジア・ビジネス・サミット」を開いた・日中韓などが参画する地域的な包括的経済連携(ECEP)を拡大し、サプライチェーン(供給網)へ強靭化など域内の経済連携を強化することで合意。共同声明を採択した。
声明はRCEPの枠組みの中で、貿易自由化から除外されている物品の関税削減の議論も開始すべきだと主張。環太平洋連携協定(TPP)の加盟国拡大を目指すべきだとの意見でも一致した。

東京都知事選 小池百合子氏が3選 得票2位に石丸伸二氏

任期満了に伴う東京都知事選挙が7月7日投開票され、小池百合子氏(71)が現職の強みを発揮し、開票直後、早々と3選を果たした。子育て世帯への支援をはじめ、これまでの2期の実績をアピールし、幅広い層の支持を得た。得票2位には、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が入り、前参議院議員の蓮舫氏(56)を上回った。