「つなぐ」カテゴリーアーカイブ

常温常圧でアンモニアの連続電解合成 世界最高性能達成

出光興産、東京大学、大阪大学、産業技術総合研究所(以下、産総研)は7月4日、共同で進めている研究開発で、空気中に多量に存在する窒素と水から常温・常圧で進行するアンモニアの連続電解合成で、世界最高性能を達成したと発表した。
この研究開発は出光興産を幹事会社とし、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業の委託業務として実施。今回、ラボスケールで実証した。
モリブデン触媒に適した電解合成技術の開発により、電解合成に使用する電極の単位当たりのアンモニア生成速度が従来技術より約20倍向上し、世界最高性能を達成した。

NTT, ユーグレナ 中性子線照射で藻類の品種改良技術確立

日本電信電話(本社:東京都千代田区、以下、NTT)とユーグレナ(本社:東京都港区)は7月4日、世界で初めて中性子線照射による遺伝子変異導入を用いた藻類の品種改良に成功したと発表した。これにより、藻類のCO2吸収量向上や、目的に応じた有用性を高めた藻類を品種改良・生産することで、気候変動に係る様々な課題を解決する基盤技術と期待される。
これまでの藻類の品種改良法では、培養液など水分を含む物質の透過性が低い電磁波や重粒子線を用いた遺伝子変異の導入が試みられてきた。だが、培養液中で生育する藻類細胞の大部分に対しては効果が及ばないという課題があった。

EU 中国EV追加関税 7/5から暫定適用 最大37.6%上乗せ  

欧州連合(EU)欧州委員会は7月4日、中国から輸入される電気自動車に対し、5日から暫定的に追加関税の適用を始めると発表した。現行の10%に最大37.6%を上乗せする。中国政府から不当な補助金を受けて、安値攻勢を仕掛ける中国製EVが「欧州の自動車メーカーに経済的な損害を与える脅威となっている」と見なし、暫定的に追加関税措置を断行する。加盟国による投票を経て、4カ月以内に最終決定する。

スズキ インドに子会社とファンド「Next Bharat」設立

スズキ(本社:静岡県浜松市)は7月4日、インドの100%出資子会社、Next Bharat Ventures IFSC Private Limited(本社:グジャラート州、以下、Next Bharat Venture Fund-1)を設立したと発表した。出資総額は4,000万米ドル。
Next Bharatは、インドにおける社会課題をビジネスの力で解決することを目的に、ファンドを通じて農業、金融包摂、サプライチェーン、モビリティの分野で活動する社会起業家の支援や投資を行う。また、ベンチャーキャピタルへの投資も行っていく予定。

オムロン iCAREの株式30%取得 資本業務提携 協力関係強化 

iCARE(本社:東京地渋谷区)とオムロン(本社:京都市下京区)は7月3日、資本業務提携したと発表した。オムロンは2日、iCAREの既存株主、ベンチャーキャピタルから譲渡を受け、iCAREの株式の30%を取得した。この提携を円滑に進めるため、オムロンより社外取締役1名をiCAREに派遣する予定。
提携を通じて両社の協力関係を強化することで、オムロングループが保有する国内屈指のヘルスケアドメインのユーザーアセットと、iCAREが持つ産業保健領域でのデータとネットワークを活用し、幅広いデータを連携・分析することで、健康経営領域でのソリューション事業を創出する。

パナソニック 純水素型燃料電池 最大発電出力約2倍に

パナソニックエレクトリックワークス社は7月3日、高純度の水素と空気中の酸素との化学反応で発電する純水素型燃料電池の新製品「PH3(三相三線タイプ)」を2024年12月から発売すると発表した。
最大発電出力を現行の5KWをベースに、約2倍の9.9KWまで高めた。発電出力を1KW刻みで調整でき、自由な発電計画を立てることも可能。また、機器構成を見直すことでメンテナンススペースを大幅に削減し、イニシャルコストを低減、より幅広い顧客への提供が期待される。

春闘賃上げ5.10% 33年ぶり高水準 連合集計・平均

連合は7月3日、2024年春闘での傘下労働組合の賃上げ要求に対する企業側回答の最終集計を公表した。平均賃上げ率は5.10%で、1991年以来33年ぶりとなる5%台を達成。月額では平均1万5,281円アップとなった。29年ぶりに3%台となった昨年の平均賃上げ率3.58%を上回る結果となった。
ただ、厚生労働省の毎月勤労統計調査では、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は4月まで25カ月連続のマイナスを記録しており、物価高騰に賃上げが追いついていない状況が続いている。

ユニ・チャーム 福利厚生制度に「卵子凍結」サービス導入

ユニ・チャーム(本社:東京都港区)は7月3日、セルソースが提供する卵子凍結保管受託サービス「卵子凍結あんしんバンク(TM)」を、7月より社員の福利厚生制度に導入すると発表した。
厚生労働省が2023年に実施した「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」によると、不妊治療経験者の半数以上が「仕事と治療を両立した」と回答。ただその一方で、女性回答者の約1割は「不妊治療を行うための退職した」「雇用形態を変更した」と回答するなど、ライフプランの見直しを余儀なくされていることも明らかになった。
こうした現状を踏まえ今回、社員一人ひとりの多様な人生設計を支援するため、卵子凍結保管を可能とするサービスを福利厚生制度に導入することにした。

23年認知症行方不明者1万9,039人 11年連続で最多更新

警察庁のまとめによると、認知症や、その疑いで2023年に全国の警察に届け出があった行方不明者が、延べ1万9,039人に上ったことが分かった。前年から330人増え、2012年の統計開始以来、11年連続での最多更新となった。
年代別にみると、80歳以上が1万1,224人、70代が6,838人。これに対し、60代以下は977人。都道府県別では兵庫県が2,094人と最多。以下、大阪府が2,016人、埼玉県が1,912人と続いている。男女比は男性55.7%、女性44.3%。