増え続ける高齢要介護者にとって、終の住処(ついのすみか)の一翼を担う施設として見込まれている住宅型有料老人ホームの一部に潜む問題が徐々に深刻化しつつある。介護現場や介護事業への理解が浅い・低い異業種からの新規参入事業者の中に、事業見通しの甘さから経営が破綻、廃業に追い込まれるケースが相次いでいるからだ。その結果、やっとの思いで、いわば終の住処として入居した利用者は、何の前触れもなく、ある日突然閉鎖に伴って退去させられるケースも少なくないという。 NHKなどの調べによると、住宅型有料老人ホームはこの7年間3倍に増え、全国に現在9,000以上の施設がある。しかし、2018年で廃業が355件に上った。同ホームは基本として入居者に個室と食事を提供する。要介護者への介護サービスは外部の事業者を利用する。様々な条件や制約がある特別養護老人ホーム(特養)などと異なり、自治体に届け出さえすれば設立できるため、通常業種の感覚で事業を立ち上げる人が少なくない。 ところが、高齢要介護者の症状は流動的でいつ、どのような状況で症状が進行、要介護度が高くなり、重度化していくか予測がつかない。例えば、そんなリスクを負っていることは到底織り込んでいないというわけだ。そうした不測の事態が重なると、ほかの業種のように容易に対症療法がない。そこでギブアップせざるを得なくなるのだ。いずれにしても、そのしわ寄せをもろに受けるのが入居者で、身寄りのない単身高齢者も少なくないという。
「介護」カテゴリーアーカイブ
三菱自 岡山県・倉敷市・総社市と災害時協力協定,給電用の電動車提供で
三菱自動車工業(本社:東京都港区)は10月4日、岡山県、同県の倉敷市、総社市とそれぞれ災害時協力協定を締結したと発表した。災害発生時に同社製の電動車を速やかに提供できる体制づくりを全国で目指す「DENDOコミュニティサポートプログラム」の一環。同社の主力工場の一つ、水島製作所が立地する岡山県でも災害時の協力体制を強化する。同日、3自治体とそれぞれ協定書に調印した。これにより、災害発生時に非常用電源として給電等に活用できるプラグインハイブリッド電気自動車「アウトランダーPHEV」などの電動車を、タイムリーに被災地・避難所に届けることを目的としている。
兵庫県「就職氷河期」相談窓口に1カ月で150人余
兵庫県労働局のまとめによると、「就職氷河期」世代の支援窓口が9月、兵庫県内4つのハローワークに設置されてから1カ月間で、安定して働ける正社員の仕事を求めて、150人余が相談に訪れたことが分かった。そして、このうち66人への支援を始めているという。厚生労働省は来年度、全国63カ所のハローワークに専門の支援窓口を設置して同世代を支援することにしている。兵庫労働局はこれに先駆けて9月に独自の支援窓口を設けた。
三谷産業・国立大学JAISTがベトナム人留学生対象に奨学金制度
三谷産業(本社:金沢市)と国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学(所在地:石川県能美市、以下、JAIST)は10月3日、10月入学のベトナム人留学生を対象に、新たに貸与型奨学金制度を開始すると発表した。同制度は、三谷産業とJAISTが面接によって決定した博士前期課程に入学するベトナム人留学生に対して、三谷産業より博士前期課程の2年間および入学前の日本語教育を受ける3カ月間の学費・生活費・渡航費などを貸与する。付帯条件として対象学生が修了後に、三谷産業に就職して4年間以上勤務することで返済を免除する。 三谷産業にとっては、主にものづくりの中心拠点として2,200人超のベトナム人社員を有するベトナム事業をさらに成長させていくため、今回の奨学金制度で将来のリーダーとなるベトナム人人材の採用、確保につながることを期待している。初年度は10月2日に入学したグエン・ヴー・レーさん1名が対象となる。
帝人 地域密着型健康プロジェクトの展開を強化、岩国・松山で
帝人(本社:大阪市北区)はこのほど、事業拠点を構える山口県岩国市および愛媛県松山市で、地域密着型の様々な健康プロジェクトを開始した。同社はこれまで、自社が取り扱う機能性食品素材を活用し、全国の地方自治体や教育機関と連携することにより、市民の健康増進や健康寿命の延伸への貢献を目指す「腸内会プロジェクト」を展開しており、今回両市で始めたのはこの一環。
信金中金 ベトナム人材送出機関 エスハイ社と業務提携
信金中央金庫(本店:東京都中央区、以下、信金中金)は10月1日、ベトナムの大手人材送出機関、Esuhai Co.,Ltd(以下、エスハイ社)および、その日本における連携先、ベトナムコンサルティングとの3者で、信金中金取引先のベトナム人材活用に係る業務提携契約を締結したと発表した。住金中金は、取引先における技能実習、特定技能、高度人材の外国人材活用機会拡大のため、ベトナムの大手送出機関のうち教育レベルがとくに高いエスハイ社と提携し、取引先の事業基盤の強化をサポートしていく。
奈良市でも「就職氷河期」世代の支援窓口を設置
奈良市労働局によると、奈良市の「ハローワーク奈良」はこのほど、いわゆる「就職氷河期」世代の支援を強化しようと、専門窓口を設置した。同ハローワークに「正社員チャレンジコーナー」という専門の窓口を設置。求職者1人ずつに担当者がついて相談に応じるほか、企業側に提出する書類の作成をサポートしたり、模擬面接を行ったりして就職を支援する。こうした窓口が設置されるのは大阪府や兵庫県に続いて全国3番目という。 就職氷河期世代は、バブル崩壊後、新卒の就職がとくに厳しかった世代、昨年時点で35歳から44歳の人のうち、働いていない「無業者」は40万人、正社員になりたいのに、非正規雇用で働いている人は50万人に上るとみられる。
スズキとNTTコム 高齢者見守りサービスに向け実証実験開始
スズキ(本社:静岡県浜松市)とNTTコミュニケーションズ(本社:東京都千代田区、以下、NTT Com)は10月2日、ハンドル形電動車いす「セニアカー」の状態をIoTでリアルタイムに確認し、異常を知らせるサービスの実証実験を実施すると発表した。実証実験は全国でスズキのセニアカー数十台をを使い、10月末まで実施する予定。両社はセニアカーと、その利用者の状態を見守るサービスを通じて、高齢者が安心して移動できる社会の実現に貢献する。
フコク生命G 契約者向けに「セコムみまもりホン」サービス追加
富国生命保険(本社:東京都千代田区)とフコクしんらい生命保険(本店:東京都新宿区)は9月30日、契約者向け付帯サービスのラインアップにセコムが提供する「セコムみまもりホン」を10月1日より追加すると発表した。フコク生命グループの契約者はこのサービスを優待価格で利用できる。セコムみまもりホンは、救急通報や健康相談、家族間での安否確認など高齢者や持病のある方とその家族のニーズに応えることができる救急時対応サービス。
ティップネス 脳活総研と提携し認知症予防で新たな取り組み
総合フィットネスクラブを運営するティップネス(本部:東京都港区)は9月30日、シニア向けの脳健康診断テスト事業を行うクレディセゾングループの脳活性総合研究所(本社:東京都千代田区、以下、脳活総研)と業務提携し、受検者へ脳のアンチエイジングのためのレッスンプログラムを提供するなど、10月1日より認知症予防への新たな取り組みをスタートすると発表した。 およそ3人に1人が65歳以上の超高齢社会を迎えた日本では、介護・医療費の社会保障費の急増が大きな社会問題となっている。また、2025年には認知症高齢者の数は700万人を超えるといわれ、「要支援」「要介護」状態となる高齢者の大幅な増加が予測されている。それだけに、認知症高齢者および要介護者の問題は国レベルでの予防対策がますます重要性を増している。