「介護」カテゴリーアーカイブ

コロナ禍減収世帯への貸し付け227万件で1兆円に迫る

厚生労働省の集計によると、新型コロナ禍で大きく減少となった世帯に生活資金を特例で貸し付ける制度の利用者が、①「総合支援資金」で105件、融資決定金額が7,299億円②「緊急小口資金」で122万件、融資決定金額2,267億円-に上り、①②合わせて約227万件、9,566億7,000万円となり、1兆円に迫っていることが6月6日分かった。
リーマン・ショック時をはるかに超える未曾有の規模だ。コロナ禍が長期化し、生活苦に陥る世帯が後を絶たない状況が浮かび上がった。これらはあくまでも貸し付け金であり、支給される給付金ではない。いずれは返済しなければならない性質の金だ。コロナ禍がいつ収束に向かうのかまだまだ見えていない。そして、それに伴って雇用に明るさが出てくるのはいつになるのか。政府には目先、緊急避難的に食い繋ぎ、問題を先送りしただけに終わらないよう望みたいものだ。

日本20年出生数84万人で過去最少 自然減53万人 婚姻再び減少へ

厚生労働省が6月4日発表した人口動態統計によると、2020年の出生数は前年より2万4,407人減少し84万832人だった。1899年の統計開始以来、過去最少となった。合計特殊出生率は1.34で前年より0.02ポイント下回り、5年連続で低下した。
死亡数は137万2,648人で、戦後最多だった前年より8,445人減った。死亡数の減少は11年ぶり。一方、死亡数から出生数を引いた「自然減」は53万1,816人で、減少は14年連続。2019年に初めて50万人台になったが、減少幅はさらに大きくなり過去最大となった。
婚姻は52万5,490組で前年より7万3,517組減少して戦後最少。2019年に令和への改元で7年ぶりに増加したものの、2020年は再び減少に転じた。
妊娠・出産に適した20~40代の女性の減少、出生率の低下、未婚化を背景に少子化が加速している。厚労省は、2021年以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が顕在化する可能性があるとみている。

75歳以上医療費2割負担に 改革法成立 370万人が対象

一定の所得がある75歳以上の医療費窓口負担を引き上げる医療制度改革関連法案が6月4日、参院本会議で成立した。急増する高齢者医療の財源を支える若い世代の保険料と税負担を軽くするのが狙い。
今回の改正は、現在1割を払う高齢者のうち、年収が200万円以上の単身世帯と320万円以上の夫婦世帯の負担を2割に引き上げる。370万人が対象となる見込みで、2022年度後半から実施される。

日本「男性の産休」4週間 改正育児法成立 企業に意向確認義務

少子化対策が指摘されて久しいが、その第一歩として男性版産休が導入されることになった。
男性の育児休業の取得を促す改正育児・介護休業法が6月3日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。子どもの出生後、8週間以内に最大4週間の休業を取得できる「出生時育児休業(男性版産休)」が導入される。
企業に対しては、従業員に育休取得の意思を確認することを義務付け、育児と仕事が両立しやすい職場環境の整備を求めている。

生活保護申請11年ぶり増 20年度22万8081件 コロナで雇用悪化

厚生労働省の集計によると、2020年度1年間の生活保護申請件数が計22万8081件(速報値)に上り、前年度から5,039件(2.3%)増えたことが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、飲食・宿泊業などを中心に雇用情勢が悪化したことが影響した。生活保護申請が上昇に転じるのは、リーマン・ショック後の2009年度に過去最多の34万9,223件となって以来11年ぶり。
生活保護申請は長らく減少傾向が続き、2019年度は22万3,042件だったが、2020年春に新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が初めて発令されたのを機に基調が変わった。2020年4月の申請件数は前年同月比24.9%増と大幅に増えた。
2021年3月の生活保護申請件数は2万2,839件となり、前年同月と比べて8.6%増えている。前年同月からからの増加は7カ月連続となり、増加幅をみると2020年9月は1.7%だったが、月ごとに少しずつ大きくなっている。

ミャンマー人の在留延長認める 就労も可能 緊急措置 上川法相

上川陽子法相は5月28日、ミャンマー国軍のクーデターによる情勢不安を理由に、日本在留の継続を希望するミャンマー人に対し、緊急措置として在留延長を認めると発表した。就労も可能とする。
出入国在留管理庁によると、2020年末時点で日本にいるミャンマー人は3万5,049人で、最多は技能実習生の1万3,963人。当面、技能実習などの在留資格の満了時に本人が希望すれば、法相が個々の事情に応じて日本での活動を指定する在留資格「特定活動」への切り替えを認める。期間は6カ月とするが、外国人の就労拡大を目的に2019年4月に新設された「特定技能」の取得を目指す場合は1年間とする。本国の情勢が改善しない場合は「特定活動」での在留の再延長を認める。
難民認定を求めて手続き中のミャンマー人(すでに在留資格を失った人を多く含む)も救済対象。2021年3月末時点で2,944人に上り、認定できない場合も特例で在留を認める方針。
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こども庁の創設「検討」”こどもまんなか”省庁横断で政策推進

自民党の「『こども・若者』輝く未来創造本部」(二階俊博本部長)が、6月の経済財政運営の指針「骨太の方針」に反映させるためにまとめた緊急決議の原案が5月27日、判明した。焦点となる「こども庁」について、子どもに関する政策を省庁横断で推進するため、新たな行政組織として「こども庁」の創設と担当閣僚の設置を検討するよう求めている。
原案では、児童生徒の自殺者増やいじめ問題の深刻化などを捉え、「こども・若者を取り巻く状況は深刻さを増している」と指摘。子どもの視点で政策を作る「こどもまんなか」の考え方を打ち出している。

孤独・孤立対策で官民連携 政府が常設の連絡協議会設置へ

政府は、新型コロナウイルスの感染拡大で深刻化する孤独・孤立対策で、問題に取り組むNPOなど民間支援団体との情報共有と連携強化を図るため、常設の官民連絡協議会を設置する。6月以降に定期的に会合を開催する方針だ。2021年度中に孤独・孤立に関する初の全国実態調査を実施するほか、孤独・孤立対策の重点計画を今後、策定する。

日本 困窮世帯に新給付金 3カ月間で最大30万円支給を検討

日本政府が新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活が苦しい世帯向けに、新たな給付金を創設する検討に入ったことが分かった。預貯金が100万円以下といった要件を満たす世帯を対象とし、3カ月間で最大30万円を支給する方向で調整している。給付金は世帯単位とし、単身なら月6万円、2人世帯なら月8万円、3人以上なら月10万円とする案を軸に詰めている。生活保護世帯は対象外とする見通し。財源は500億円程度と見積もり、2021年度予算で対応する。

「特定技能」で在留外国人2.25万人 1年で6倍 資格変更が増加

出入国在留管理庁のまとめによると、日本で働く外国人向けの「特定技能」で在留する人は、制度導入から2年となった2021年3月末時点で2万2,567人で、1年前の3,987人から6倍近くに増加した。新型コロナウイルス変異株に対する水際対策の強化とも相まって、海外から入国はできないものの、国内で「技能実習」から資格変更する人が増加したのが主な要因。
2万2,567人のうち技能実習の修了や、「留学」の資格で在留中に試験に合格したなど、国内に滞在したまま特定技能に資格変更したのは1万7,299人。一方、海外での試験に合格したり、技能実習修了後にいったん帰国したりし、海外からの入国時に特定技能の許可を得たのは5,268人。
資格の取得方法別では、全体の8割以上にあたる1万9,092人が技能実習修了者で、特定技能の試験合格者を大きく上回った。国籍・地域別では技能実習でも最多のベトナムが1万4,147人で、6割を超えた。
働いている業種別では、多い順に飲食料品製造業8,104人(全体の構成比35.9%)、農業3,359人(同14.9%)、建設業2,116人(同9.4%)、産業機械製造業1,937人(同8.6%)、介護1,705人(同7.6%)だった。
特定技能制度の運用は2019年4月からスタートした。人手不足が著しい農業、建設業など14業種で5年間働ける在留資格で、取得には国内外で実施される業種別の技能試験と日本語試験に合格するか、技能実習を3年間修了する必要がある。日本政府は当初5年間で最大約34万5,000人を見込んでいた。