全国44国立大学病院 昨年度決算 過去最大285億円の赤字に

全国44の国立大学附属病院の病院長でつくる国立大学病院長会議は7月9日、都内で会見を開き、昨年度の決算が過去最大となる285億円の赤字となったとする調査結果(速報値)を公表した。赤字となった病院は全体の7割近い29病院に上っており、大学病院としての事業の存続が危ぶまれる状況だとしている。
国立大学病院の経営は、前の年度におよそ60億円の赤字となり、初めて赤字に転落し、昨年度はさらに悪化、大幅な減益となった。昨年度は前の年度に比べ、収益は547億円増加した一方、医薬品や材料費、診療経費、人件費などが合わせて772億円増えた。物価や人件費の上昇に、診療報酬などの収入が追いついていないという。