終末期医療患者の4割が「苦痛」抱える 国立がん研究センター

終末期医療患者の4割が「苦痛」抱える 国立がん研究センター

国立がん研究センター(所在地:東京都中央区)の調査によると、終末期を迎えたがん患者の約4割が死亡前の1カ月間に痛みや吐き気、呼吸困難などの苦痛を抱えていることが分かった。介護した家族にうつ症状が出る例も2割近くに上った。
自宅や病院など亡くなった場所で受けた医療に関する全般的な満足度は、がん患者遺族の76%が「満足」と回答した。ただ死亡前1カ月間の患者の状況について尋ねたところ、予想外の回答が多かった。全体の42%が「身体の苦痛を抱えて」過ごさざるを得なかった旨の回答だった。また、介護について患者遺族の約4割が「負担が大きかった」と回答。患者との死別後、17%の遺族がうつ症状に悩まされていた。
調査は今年2~3月、がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、腎不全で死亡した患者遺族4,812人を対象に実施。「医療や療養生活の質」に関するアンケートに答えてもらい、2,295人から有効回答を得た。