この年で特養の利用率「低下した」21% WAM調査
独立行政法人福祉医療機構(WAM)が実施した「特別養護老人ホーム(特養)の入所状況に関する調査」によると、直近の1年間で特養の約2割で「利用率が低下した」と回答したことが分かった。
施設の入所状況は、利用率95%以上の施設が約6割を占め、この1年間で利用率が「低下した」とする施設は21.0%に上った。これに対し「上昇した」と答えた施設は17.6%だった。低下した理由を聞くと「他施設との競合が激化したため」28.8%、「受け入れ態勢が整わず、待機者の入所につながらなかった」17.3%などが続いた。
高齢化の進行で要介護者が増加しつつある中でも、社会福祉施設、サービス付き高齢者向け住宅などの増加により、入所者および介護職員の確保についても、競合が激しくなっていることをうかがわせる結果となった。
待機状況をみると、1施設当たりの平均待機者は117.3人、定員1人当たりの待機者は1.75人だが、この1年で待機者が減少したとする施設は48.8%に上り、意外にも全国的に減少傾向がみられるとしている。この理由は「他施設との競合の激化」を挙げる施設が42.5%と最も多く、次いで「要介護2以下が入所要件から外れたこと」が37.5%だった。
調査は、3533施設を対象に行われ、1241施設から回答を得た。有効回答率は35.1%。