特養の”ベッド買い”横行、自治体が補助金支払い入所枠確保
朝日新聞社の調べによると、複数の自治体で特別養護老人ホーム(特養)の優先入所枠を補助金を支払って確保する事例のあることが分かった。
これは、”ベッド買い”と呼ばれ、自治体が他の自治体にある特養を運営する社会福祉法人と協定を結び、補助金を支払う見返りに、自らの住民が優先的に入所できる枠を確保する仕組み。
東京都内の例をみると、23区と近接5市のうち、8割以上の23区市がこうした協定を結び、計3328の入所枠を持っていた。協定の多くは介護保険制度が始まった2000年よりも前に結ばれたものだが、今も有効だという。
介護保険制度はベッド買いではなく、仮に自らの住民の保険料が高くなっても施設整備を進めることを想定している。ただ、都市部は地価が高く土地の取得が難しいことに加え、保険料は抑えたい自治体の意向や思惑もあって施設建設が進まず、目先は入所待機者を減らすため安くて済むベッド買いの協定を結んでしのいでいるというのが実態のようだ。