石破首相は3月7日、医療費が高額になった場合に患者の負担を抑える「高額療養費制度」について、今年8月からの自己負担上限額の引き上げを見送ると表明した。夏の参院選を控え、世論の理解を得られないと判断した。これにより、2025年度政府予算案の再修正が必要となった。
政府は当初、医療費の増大を受けて、今年8月から2027年8月にかけて3段階で自己負担の上限額を引き上げる方針だった。その後、患者団体や野党から批判の声が上がり、2回にわたって方針が修正されたが、今回は方針そのものの見送りに追い込まれた。同制度を巡る議論は全面的に仕切り直しとなる。