米国との対立が続いてきたイランに、両国の対話に前向きな姿勢を取る改革派の大統領が19年ぶりに誕生した。7月5日の大統領決選投票で、マスード・ペぜシュキアン氏(69)が勝利した。有権者の過半数は、「米欧を含め世界全体と交流できるイラン」を選択したが、国のトップに君臨する保守強硬派のハメネイ師が果たして、経済制裁緩和・解除を目指し、米欧に接近を図る新大統領の改革路線を容認するのか?有権者との板挟みで、政権運営がスムーズに進むとはとても考えにくい。したがって、イランに対して強硬派のトランプ氏優勢が伝えられる米国大統領選挙の行方とからみ、イランの先行きは不透明だ。