ハンセン病患者に開発中の薬投与 戦中戦後 被験者472人

国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(所在地:熊本県合志市)の調査委員会は6月24日、同園で戦時中から戦後にかけて行われた、ハンセン病患者に開発中の薬を投与した臨床試験の実態調査の中間報告書を公表した。これは1942年12月から1947年6月まで続けられたハンセン病患者に「虹波」と呼ばれる開発中の薬を投与していたもので、被験者は判明しているだけで472人に上っている。
初期の頃には入所者の3分の1が参加。激しい副作用だあったが、当時の医師らは中止しなかったとしている。臨床試験中に9人が死亡し、うち2人がとくに副作用の影響が疑われるという。虹波は写真の感光剤を合成した薬剤で戦時中に旧日本陸軍が寒冷地での兵士の凍傷対策など肉体強化に役立つと考え、研究開発していたとされる。