文部科学省の調査によると、給与をもらえず医者の仕事をする、主に大学病院で働く「無給医」が少なくとも2,191人いることが明らかになった。しかも、この人数は氷山の一角である可能性もあるとの指摘さえある。しかし、今回の驚くべき実情についても、当の医師・関係者らの多くは体制容認派で、容易にメスが入れられることはないとの見方だ。というのも、この最大の要因が大学の「医局」という悪しき権力構造にあり、良くも悪くも連綿と何十年も続いてきていることで、医療・管理システムとして抜本的に改めることが難しいからだ。このため、誰も声をあげなかった、いや声をあげられなかった。