要支援者を手助けする人が多いほど地域全体の避難意識高まる
三重大学の水木千春助教らはこのほど、災害時に自力避難が困難な障害者や高齢者など「要支援者」を手助けする人が多いほど、避難の意識が高まり、住民全体が安全に避難できる割合が高まるとの研究結果をまとめ、同大学で開かれた防災シンポジウムで報告した。
南海トラフ巨大地震の津波を想定した研究で、熊野市井戸町内の人口450人の地区で要支援者を68人と推定。地震発生から13分後に津波が襲来するまで、住民全体のうちどれくらいの人が高台へ避難できるかをコンピューターでシミュレーションした。
その結果、要支援者を手助けする人がいない場合、住民全体のうち避難できたのは48%と半分に満たなかった。ところが、要支援者1人に支援者が1人付くと84%に一気に高まり、支援者が2人の場合、最大で97%に上がったという。支援者が多いほど地域全体の避難意識が高まることを立証した。