在宅医療促進、遠隔診療も拡大 中医協が答申
中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)はこのほど、診療報酬の個別の改定内容を決め答申した。診療報酬は2年にⅠ度見直す。政府は2017年末、全体で1.19%引き下げると決定。治療代などの「本体」は0.55%引き上げ、薬代など「薬価」などは1.74%引き下げるとした。中医協はこの範囲に収まるよう値段を決めた。原則Ⅰ~3割の患者の自己負担額も変わる。
今回の改定はとりわけ、団塊の世代がすべて75歳以上になる「2025年問題」を強く意識し、現行の年約42兆3000億円から健康保険組合連合会の推計で約57兆8000億円に膨らむとされる国民医療費をいかに抑えるかを課題として設定。患者がなるべく入院せずに住み慣れた自宅や施設で治療を受けられる体制づくりを一層加速させる内容とした。
また、スマートフォンやパソコンを通じて診察する遠隔診療の保険対象も拡大する。対面診療と適切に組み合わせ、診察や日常生活の指導などをした場合の報酬を新設する。生活習慣病患者の利用などを想定し、訪問診療や外来の代わりとして使ってもらうのが狙いだ。