生活保護の生活扶助引き下げへ 低所得世帯を上回る
厚生労働省の専門家会議の調査によると、大都市の子供が2人いる世帯などで、生活扶助の金額が低所得世帯の生活費を上回ったことが分かった。12月8日に開かれた会議では生活扶助の基準額と、一般世帯のうち収入が低いほうから10%以内の世帯の1カ月の平均支出を比較した結果が示された。
これによると、大都市で小学生と中学生の子供がいる40代夫婦の世帯では、生活扶助は18万5000円余りで、収入が低い世帯より2万5000円余り、率にして14%多く、65歳の単身世帯などでも生活扶助が上回っていた。厚労省ではこうした世帯では基準額の引き下げを検討する方針。
一方、大都市で30代の母親が小学生1人を育てる母子家庭では、生活扶助は11万4000円余りで、収入が低い世帯より逆に5600円余り、率にして5%下回り、基準額の引き上げも検討される。
生活保護のうち食費や光熱費などの生活扶助は、地域や年齢、世帯人数などによって支給の基準額が決まっていて、厚労省は5年に1度、専門家の会議で見直しを検討している。