私説 小倉百人一首 No.31 坂上是則

坂上是則
※坂上田村麻呂から4代目の好蔭の子。

あさぼらけ有明の月と見るまでに
       吉野の里に降れるしらゆき

【歌の背景】是則が大和の吉野へ旅して、旅寝の朝見た、有明の月の光と見まごうばかりの雪が真っ白に降った朝の感動を歌ったもの。

【歌 意】夜明けごろ、有明の月が出て照らしているのではないかと思ったら、吉野の里に降り積もった白雪ではないか。本当に真っ白で美しいなあ。

【作者のプロフィル】征夷大将軍坂上田村麻呂から四代目の好蔭の子。坂上氏の先祖は応神天皇の時にに帰化した後漢の霊帝の曾孫阿知使主だという。延喜8年大和権少掾になり、21年大内記、延長2年(924)正月、従五位下加賀介になり、醍醐・朱雀両天皇に仕えた。没年不明。