中国政府は2020年12月末の失業率を5.2%と発表し、コロナ前の水準に戻ったとしているが、これは中国全土をカバーしたものではない。全土の労働者の実質失業率は20%超に上り、失業者は1億人以上いるとの試算もある。
この乖離は、雇用の不安定な出稼ぎ労働者らは元々、中国の統計から除外されているためだ。政府が発表する失業率は、実は都市に戸籍を持つ人が対象で、地方出身者はデータに含まれていないのだ。したがって、都市部の出稼ぎ労働者や農村部を含めると様相は一変、失業率は高まり20%超に上り、失業者は1億人以上との試算を公表する研究者もいる。