フィリピン統計庁は11月10日、2020年第3四半期(7~9月期)の実質GDP成長率をマイナス11.5%と発表した。第2四半期の成長率はマイナス16.9%で、コロナ禍により経済の減速は続いているものの、減少幅は緩やかになっている。
フィリピン国家経済開発庁のカール・チュア長官代行は、第3四半期の成長率が減速となった要因について、同国のGDPの6割を占める個人消費の減退を招く遠因となった、マニラ近郊のセブで広域隔離措置が一時的に強化されたことを挙げた。同国では6月と7月にセブで、8月にマニラ近郊で広域隔離措置を一時的に強化し、コロナの感染拡大を防ぐために経済活動を制限した。ただ、7~9月は4~6月と比べ減少幅が縮小したと指摘、同代行はフィリピン経済について「最悪期は脱した」との見解を明らかにした。