丸木舟で与那国島目指し台湾出航、日本人の祖先の渡来検証へ

国立科学博物館は7月7日、約3万年前に日本人の祖先が大陸から日本に渡ってきた航海を再現するため、手漕ぎの丸木舟が台湾を出航したと発表した。日本列島西端の沖縄・与那国島を目指す。大陸からの渡来を検証するため、これまで植物や木製の船や筏(いかだ)など3万年前に入手可能だったと思われる材料で、再現実験が行われたが、いずれも無理と判断。今回は丸木舟でのトライとなった。                                          丸木舟は台湾南東部の台東県の海岸を出発。これまでの経験を踏まえ、体力強化のため練習を繰り返し、シーカヤックなどの経験豊富な漕ぎ手5人(男性4人、女性1人)が乗り込んでいる。与那国島までは直線距離で200km以上あり、夜通し漕いでも30~40時間かかる見通し。3万年前の航海術を再現するため、GPS(全地球測位システム)などは使用しないという。ただ、スタッフが乗り込んだ伴走船が並走する。