「南都焼討」で失われた興福寺の再建瓦窯跡?発見
奈良県立橿原考古学研究所によると、奈良市の興福寺のかつての境内の発掘調査で、大きさが幅2㍍、奥行き2㍍ほどの、平安時代から鎌倉時代にかけての窯の跡が9基確認された。いずれも「有●式平窯」と呼ばれる瓦を焼くための窯で、このうち4基は平安時代末期から鎌倉時代初めのものとみられている。
同研究所によると、これらの窯が興福寺の当時の境内にあることや、平氏が奈良の寺院を焼き打ちした「南都焼討」のすぐ後の時代にあたることなどから、焼き打ちで失われた興福寺の建物を再建するための瓦が焼かれた窯とみられるという。