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- 2017年12月07日 認知症 世界で5000万人、2050年に1億5200万人 WHO推計
眼を見張る医療技術の進歩に伴い、「人生100年時代」とポジティブな側面に目を奪われがちです。半面、2025年には団塊の世代(1947〜1949年生まれ)がすべて75歳以上となり、政府推計によると65歳以上の高齢者は3,600万人を超え、2030年には3人に1人が65歳以上の高齢者という超高齢社会を迎えます。
この超高齢社会は、精神的かつ肉体的な衰えとともに、認知能力の衰えを抱えた、身寄りのない単身高齢者の増加した社会を意味します。それは、当該高齢者にとって孤立死・孤独死と背中合わせの社会です。しかも大きな問題は、蓄えの少ない、収入面で年金だけに依存する高齢者が圧倒的に多いことです。
現在、超高齢社会の現実を直視するとき、何より求められるのが、収入の限られた、身寄りのない単身高齢者が安心して暮らし、加齢を重ねていける社会の仕組みづくりです。このことこそが国が進めるべき社会課題でしょう。
この対策の一助として、国が定めたのが「成年後見制度」です。
この成年後見制度には大きな問題があります。すなわちこの制度のうち法定後見を利活用して様々なアドバイスやサービスを受けられるのは、十分な資産や貯えのある、いわゆる富裕層の人が多く、市町村等も様々取り組んでいますが、まだまだ不足しています。限られた収入しかない、支払い能力のない人には利用できない制度なのです。
そこで用意されているのが、本人の申し出により相対で契約して進められる、任意後見制度です。
以下、この成年後見制度の「法定後見」・「任意後見」の概要をみていきましょう。
成年後見制度のもと国が定める後見業務には①家庭裁判所が司法書士や弁護士などの後見人を指名して実施される法定後見業務②依頼者の指名でその業務を請け負う任意後見業務があります。
このうち、①は料金面で高く、生活費でギリギリの年金生活者が圧倒的に多い、身寄りのない単身高齢者には相談すらできない状況にあります。そこで、こうした人たちの相談先が格安の②の任意後見を頼ることになります。
すなわち、現行の成年後見制度では毎月ン万円の支払い能力のある人しか、この制度を利用しづらい。この成年後見制度にはこんな不備があるわけです。
そして、もっと肝心な点をいえば、身寄りのない単身高齢者のほとんどが、こうした制度の内容を知らないことです。
幅広く持続可能な仕組みづくりと、「任意後見」の周知化目指して、当法人が取り組む社会的意義について、以下のように考えています。
当センターは、上記した②の任意後見業務を担っています。増え続ける、身寄りのない単身高齢者の様々な悩みや相談を一つ一つ処理し、地道な活動を続けています。しかし、その利用者のほとんどは①の法定後見業務に準じた料金の支払い能力のない人たちです。
このため、当センターが手掛ける業務に関わるスタッフは、現在の社会が直面している課題の克服・解決の一端を担っているという”熱い思い”を胸に携わっているのです。
しかし、安定的に社会が必要としているこの後見業務に携わっていくには、別の仕事で家計を支えつつ取り組む現在の形では、今後の展望は見い出せません。
現在の後見業務のあり方に疑問を持たれる方および、私たちの活動に賛同頂ける方々のご協力・ご支援をぜひお願い致します。
私たちはこの3年間、「任意後見」の周知理解とその利用促進を目指して活動してきました。しかし、まだまだ不十分です。そして何より絶対的に所要資金が足りません。これらの業務はビジネスベースでは捉えられません。活動資金も決して十分ではありませんし、利用者の事情で必要書類の作成に、必要な印紙代など一時的に立て替え負担などの例もあるほどです。
ただ、だからといってスタッフ挙げて、決して手を引くつもりはありません。地域に高齢者をはじめ様々な問題を抱えた人が現実におられる以上、放置できないという熱い思いです。
全国の法人、個人の皆様、私たちが進める「任意後見」の定着のための体制・基盤づくりにご理解とご支援をよろしくお願いします。