コロナ禍で甚大な打撃を受けた業界の一つが飲食チェーンだろう。東京商工リサーチのまとめによると、居酒屋を運営する上場主要13社の飲食店舗数の合計は2020年12月末で6,136店。これを1年前と比べると7,009店から873店舗(12.5%)減少している。
日本フードサービス協会の調査では外食チェーン全体の2020年の売上高は前年比15.1%減と、1994年の統計開始以来、最大の減少率となった。中でも「パブ・居酒屋」は「売上高が前年比49.5%減と半減した。2回目の緊急事態宣言で今年1月の「パブ・居酒屋」の売上高は前年度月日74.9%、2月は同70.7%それぞれ減少。3月は比較対象の前年3月がコロナ禍で落ち込んでいたが、そこからさらに39.7%減少した。
こうした状況を反映し、3月末時点のチェーン店のパブ・居酒屋業態の店舗は2,341店と、1年前に比べ15%減った。そこに今回の3回目の緊急事態宣言のもとでアルコール提供の禁止が加わり、そのダメージは計り知れない。そして飲食店苦境の影響は、社会全体の雇用に明確に広がりつつある。
総務省の2月の労働力調査によると、雇用者数は2020年4月から11カ月連続で減少している。この間、政府は雇用を守るという姿勢を示し、「雇用調整助成金」を企業に支給しており、正規雇用は9カ月連続で増加している。これはどういうことなのか?つまり、そのしわ寄せがパートやアルバイトなどの「非正規雇用」に及んでいるのだ。1年前に比べ、パートは55万人、アルバイトは33万人それぞれ減少している。