本願寺史料研究所などによると、浄土真宗の開祖として知られる親鸞が、仏典の中から重要な箇所を選び出し、自ら書いた文書が長崎県大村市で見つかった。この文書は同市の正法寺の前住職が20年ほど前に業者から購入し、同寺に保管されていた。今年8月に同寺から依頼されて同研究所などが調べたところ親鸞直筆と確認された。文書の内容は、教えを信じ、念仏を唱えることの必要性を説くもの。 九州地方で親鸞直筆の文書が見つかったのは、鹿児島県の寺に次いで2例目。これらのほかにも親鸞直筆の書物は全国で見つかっている。これらのことから鎌倉時代、親鸞が教えを広め、伝えるために繰り返し文書を書き、配っていたことがうかがえるという。