トヨタ自動車は10月11日、2020年末に発売する燃料電池車(FCV)「ミライ」の新しいモデルを東京モーターショー(10月24~11月4日)で公開すると発表した。水素を燃料とするFCVで業界をリードしてきた同社。2014年にミライを発売して以来、初のモデルチェンジとなる。新たな設計開発手法「TNGA」を採用したプラットフォームを採用し、低重心化などで走行性能を向上させ、現行約650kmの航続距離を30%伸ばした。また、居住スペースも広げ、従来の4人乗りから5人乗りへと変更した。 新モデルは量産化で燃料電池システムもコストを現行の半分以下に引き下げる見通しで、これまでより購入しやすい価格帯(現行約740万円)へと下げる。これにより、年間の販売台数を世界で3万台以上、国内で1万台イ所を目指す。FCVはCO2を排出せず、電気自動車(EV)と並んで「ゼロエミッション車」と位置付けられている。しかし、価格が高いことと、燃料となる水素を供給するインフラ(水素ステーション)の整備が大幅に遅れていることから、FCVの普及は進んでいない。ミライの累計販売台数も世界で約1万台にとどまっている。