日本企業に中国の生産体制見直しの動き 米中貿易摩擦激化で
米中貿易摩擦の激化を受け、日本企業に中国の生産体制見直しの動きが広がってきた。米国が中国に対する制裁として発動した追加関税の悪影響を回避しようというもので、”制裁”強化と”報復”の米中対立の長期化を見据えている。
三菱電機は8月、中国の大連工場で生産し、米国へ輸出していた工作機械の生産を名古屋製作所(所在地:名古屋市)に移した。コマツは建設機械の部品生産の一部を中国から日本やメキシコに振り分けた。
東芝機械は10月以降、樹脂部品をつくる成形機の生産拠点を中国の上海工場から本社工場(所在地:静岡県沼津市)とタイに移管し、米国へ輸出する方針だ。また、アイリスオーヤマは現在、中国から輸出している米国向け小型家電の生産を、2019年1月から近く完成予定の韓国・仁川工場に振り分ける計画という。
これらはいずれも、中国における今の生産体制のままでは、事業継続するための競争力を維持できないとの判断からだ。