訪日外国人のレンタカー事故急増 事故率は日本人の4倍
東京海上日動火災保険によると、訪日外国人によるレンタカー事故が急増している。貸し出し1件当たりの事故率は日本人のおよそ4倍。スピードの出しすぎで、事故の規模も大きくなる傾向があるという。大都市圏だけでなく、交通アクセスにあまり恵まれていない地方都市や、あまり知られていないエリアへの、レンタカーでの観光巡りを推奨する観光地が多い中、今後どのようにレンタカー事故を防ぐかが急務となってきた。
国土交通省によると、訪日外国人のレンタカー利用はこの5年余り、年率3~4割のスピードで伸びている。これに比例して事故も増えており、2016年の死傷事故は81件と2年前の約3倍に上っている。車体のへこみなど物損まで含めると、その数は実に2万件を超えるとみられる。
影響が最も顕著に表れているのが沖縄県だ。沖縄はもともとアジアからの旅行客が多いうえ、鉄道などの公共交通機関が未発達で、空港からの移動をレンタカーに頼る傾向が強い。沖縄県レンタカー協会の統計では、2016年は20万6000人の外国人旅行者が利用し、9600件の事故が起きている。事故率は4.7%にも達している。
全国の高速道路が定額(2万円で最大7日間、3万4000円で最大14日間)で乗り放題になる訪日外国人向けのパスを10月から販売し、地方への周遊を後押ししている。レンタカーでの周遊を促すサービスを拡大する中で、どう事故を防ぎ、当事者の身を守るのかも併せて考えなければ、心の籠ったサービスとはいえない。