平城京遷都で埋め立てた旧秋篠川の跡見つかる

平城京遷都で埋め立てた旧秋篠川の跡見つかる

 奈良文化財研究所は7月4日、平城京遷都(710年)に伴う造営工事で、奈良市の秋篠川の流路を現在の位置に付け替えるために埋め立てた旧流路が見つかったと発表した。埋め立てた際、地盤や盛り土を補強するため、樹木の枝を敷き詰める古代の土木技術「敷棄工法」が使われていた。同研究所は「平城京の造営に伴う土木工事の実態が分かる重要な調査結果」としている。

 調査では北西から南東へ流れる旧流路跡(幅28㍍以上、長さ55㍍分)と厚さ最大1.2㍍の黒色土層を確認。土層からは7世紀末~8世紀初めの土器破片や瓦片が出土した。旧流路を埋め立てた際の造成土とみられる。