自治体が「食」軸に新特産品づくり支援

自治体が「食」軸に新特産品づくり支援

   近畿の自治体が食を中心とした特産品の育成に相次ぎ乗り出す。農水産物を加工食品にするなど付加価値を高める企業や生産者の取り組みを後押しする。商品化の進展度合いに応じた助成制度や開発ノウハウを伝授する無料講座など、より実効性が見込める支援策により、全国に通用できる地域資源のブランド化や販路拡大を促す。

   京都府は今秋をメドに、地元産の農林水産物を食品メーカーや生産者が連携して加工食品とする事業への支援を始める。九条ネギ入りドレッシングや丹波栗のアイスクリームなどを想定している。 試作に必要な経費の3分の1(3年分で上限250万円)を補助する。コンサルタントの人件費や栄養成分の検査費も対象。初年度は10件程度に助成し、最長3年は支援を続ける。京野菜をはじめ京都産のブランド力は高いが、加工食品とすることで競争力を高める。

   大阪府と府の中小企業支援機関の大阪産業振興機構は「おおさか商品計画」と銘打ち、大阪らしい食品や消費財の開発を中小製造業や農林水産業者に促す。7月から商品開発や販路開拓を指南する無料講座を始め、全国販売を後押しする。6月24日に大阪市内で入門フォーラムを開き、25日から募集を受け付ける。

    無料講座「おおさか商品計画研究会」は製造業向けの地域産業コースと、食品開発を目指す生産者向けの農林水産コースを用意。月1~2回、1年余りをかけてプロデューサーら専門家が開発ノウハウを教える。個別指導にも応じる。2コースとも定員は15件程度。講師が応募者から選考する。