東大寺・東塔跡で「七重塔」示す瓦が大量出土

東大寺・東塔跡で「七重塔」示す瓦が大量出土

東大寺、奈良文化財研究所、奈良県立橿原考古学研究所は4月22日、奈良時代に創建され、高さ70~100㍍の七重塔だったとされる東大寺(奈良市)東塔跡から、「七」の文字が刻まれた鎌倉時代の瓦がまとまって出土したと発表した。
「七」は七重塔を意味するといい、鎌倉時代の東塔再建に使われたとみられる。瓦は昨年度の調査で出土した鎌倉時代の基壇周辺から計30点以上出土。「七」が中央に入った直径15㌢の軒丸瓦と、左右反転した軒平瓦の2種類あった。過去にも同様の瓦は見つかっていたが、どの建物に使われたかは分かっておらず、今回基壇周辺でまとまって出土したことで東塔に使われたと分かった。
東大寺は創建当初、大仏殿を挟んで東西に塔が並んでいたが、東塔は平安時代、隆盛を誇った平家の”南都焼き討ち”で焼失。鎌倉時代に再建されたが落雷で再び焼失し、基壇だけが残っている。瓦などは4月29~5月13日、東大寺ミュージアム(奈良市)で公開される。