奈良県・纏向遺跡で占い用「骨」初めて出土

奈良県・纏向遺跡で占い用「骨」初めて出土

奈良県桜井市教育委員会は1月29日、同市の纏向(まきむく)遺跡(国史跡)で、3世紀後半~4世紀初め(古墳時代前期)に占いに使ったとみられる動物の骨「卜骨(ぼっこつ)」が見つかったと発表した。邪馬台国の有力候補地とされる纏向遺跡で卜骨が出土したのは初めて。当時の祭祀(さいし)のあり方を考えるうえで意義深い発見という。卜骨はイノシシの成獣の右肩甲骨で、長さ16.7㌢、幅6.7㌢。人工的に掘られた穴の底部から見つかった。直径1㌢ほど丸く削った部分が3カ所あり、それぞれ点状に焦げた跡があった。先端が細い熱した道具を押し付けてできたとみられる。

中国の歴史資料「魏志倭人伝」に、3世紀の日本では人々が骨を焼き、割れ方を見て吉凶を占ったとの記述がある。卜骨は紀元前の弥生時代前期から全国で確認され、古墳時代に減少。7世紀以降の律令時代には国が祭祀の部署を設け、亀の甲羅を焼く占いをした。