日本の酪農 20年余で戸数1/3以下、頭数2.5倍に拡大

日本の酪農 20年余で戸数1/3以下、頭数2.5倍に拡大

年末からバレンタインの冬の需要が高まるシーズンに店頭からばたーが消えて問題になったが、この根本的原因は生乳不足にある。そして、そのもとをたどると酪農家の離農等による乳牛頭数自体が減っている構造的要因にある。

農林水産省の畜産統計によると、この20年余で酪農家の戸数では3分の1以下に、そして1戸当たりの飼育頭数では2.5倍ぐらいに増える傾向にある。背景には高齢化などで離農した農家からの乳用牛の吸収や、輸入飼料や資材の高騰の中で規模の拡大によるコスト低減を目指したことなどが挙げられる。

一見すると、酪農家や規模拡大によって効率化を進めるのは、好ましいと受け止められることでしょう。ところが、現実は厳しいものがあり、歓迎すべきことばかりでもない。むろん頭数が増えることでコスト低減の効果は一定頭数まではあるのだが、頭数が増えすぎると設備投資の固定費や飼料負担などが増え、収益は必ずしも好転するわけではないという。