回収CO2で野菜栽培 東芝の装置使い佐賀市で実証事業

回収CO2で野菜栽培  東芝の装置使い佐賀市で実証事業

ゴミの焼却で発生した二酸化炭素(CO2)を回収し、野菜の栽培に使う実証事業が佐賀市で始まった。佐賀市清掃工場には、2013年秋に東芝がCO2の分離・回収装置を設置した。ゴミの燃焼で発生した排ガスを取り込み、装置に送る。分離方法は化学的吸収法。装置内で排ガス中のCO2をアミン水溶液に吸収させてCO2とそれ以外の物質に分離。水溶液を熱してCO2を回収する。

東芝グループの火力発電所に10㌧のCO2を回収できる装置を導入し、性能を評価済み。佐賀市清掃工場の装置は同10㌔~20㌔の回収能力。排ガスへの有害物質の含有が懸念されたが、回収したCO2の純度は99.9%以上で有害物質が漏れ出す心配はない。

すでに佐賀市にはCO2の利用を希望する企業が名乗りをあげており、地域産業振興の役割も期待できそうだ。CO2を回収して利用する方式はカーボン(炭素)・キャプチャー(回収)・ユーティライゼーション(利用)の頭文字をとって「CCU」と呼ばれる。