新米1~2割安 続く豊作 消費減で余るコメ 農家は悲鳴

新米1~2割安  続く豊作  消費減で余るコメ 農家は悲鳴

2014年産のコメの店頭価格が値下がりしている。スーパーなどでは各産地の新米が出揃っているが、昨年秋よりも1~2割安くなっている。ここ数年、各地で豊作が続いている一方で、コメの消費は減少、コメ余りとなっているのが主な要因で、精米5㌔が1500円を下回るケースもある。消費者にとって安くコメを買えるのは朗報だが、収入が減る農家は悲鳴を上げている。

東京都内のスーパーに並ぶ新米はいま、特設コーナーが設けられ、目立つ価格で買い物客にアピール。それは名の知れたブランド米も同様で、値下がりの嵐は容赦ない。秋田産あきたこまちが5㌔で1490円(税抜き)と昨年秋(1790円)に比べ2割弱安い水準。新潟産コシヒカリや北海道産ななつぼしも15%程度安い価格で店頭で並んでいる。

こうした状況は、消費者にとっては朗報で大歓迎だが、大幅な収入減に見舞われるコメ農家は、青息吐息で悲鳴を上げている。「このままでは肥料や農薬などの代金を払えないので、農協からの一時融資でしのぐしかない」といった声も聞かれる。まさに”豊作貧乏”の様相で、これでまた長年農業に従事してきた人たちの、離農といった事態が増えないことを願うばかりだ。