神戸市長田区「FMわぃわぃ」スマトラで災害FM局支援

神戸市長田区「FMわぃわぃ」スマトラで災害FM局支援

 1995年の阪神大震災を機に神戸市長田区設立されたコミュニティーラジオ放送局「FMわぃわぃ」が今春、インドネシア・スマトラ島の火山活動の被災地で、2つの災害FM局の開設を支援した。住民が火山や河川をモニタリングしてラジオで防災情報を放送するしくみを考案。災害情報を伝える放送局として根付き始めている。

 スマトラ島北スマトラ州の州都メダンに近いシナブン山のふもと。スマトラコーヒーの産地として知られるバトゥカラン村とプルトゥグハン村それぞれの役場の一角に今年3、4月、相次いでラジオ局が生まれた。

 「火山が噴火して火砕流が発生しています。避難してください」。役場の職員が流行の音楽を流す番組を緊急放送に切り替え、地元住民から寄せられた情報をマイクから伝えた。

 FMわぃわぃは阪神大震災直後から神戸市長田区で外国人被害者向けに生活情報を提供し続けたことで知られるラジオ局。ハイチ大地震(10年)、東日本大震災(11年)などで被災したラジオ局を支援したことがある。

 今回はインドネシアのNGOと連携。機材の調達から番組制作、放送局の運営方法などを地元住民らにアドバイスした。ラジオの可聴範囲は半径10㌔で、約3万3000人が災害情報を得られるようになったという。

 シナブン山は2010年8月に400年ぶりに噴火し、2013年9月以降に火山活動が活発化。噴火口から3㌔圏内は廃村に、5㌔圏内は立ち入り禁止となり、約3万人の住民が避難した。今年2月には火砕流に巻き込まれ、高校生ら16人が亡くなっている。毎日新聞が報じた。