豚肉卸値28年ぶり高値 家畜感染症の広がりで

豚肉卸値28年ぶり高値家畜感染症の広がりで

 国内外で家畜感染症の豚流行性下痢(PED)による被害が広がっているため、食肉で消費量の最も多い豚肉が値上がりしている。国産卸値は前年同期に比べ3割以上上がり28年ぶりの高値。米国産も2割程度上昇している。

 国産豚肉は東京食肉市場(東京都港区)の6月の平均価格が1㌔当たり666円で前年同月に比べて34%上がった。2013年夏の猛暑の影響で出産頭数が減少。14年春から感染症が広がり、子豚を中心に全国で30万頭以上が死んだため、出荷頭数が減っている。

 米国産豚肉も値上がりし、人気のあるロースの卸価格1㌔当たり700円台前半だ。米国でも同様の感染症が広がっているためだ。欧州産も「豚コレラ」といわれる別の感染症の影響などで値上がりしている。

 都内のスーパーなどでは売り物にしていた100㌘98円の特売が減っている。品薄の豚肉を補うため牛肉や鶏肉の仕入れを増やすスーパーも多い。ただ、牛肉も卸値は高値圏で売り場づくりには苦労している。