元気な農業へ民間資金動く ファンド出資300億円超す

元気な農業へ民間資金動く ファンド出資300億円超す
  農業の活性化に向けて、民間の資金が動き始めた。銀行の農業分野への融資残高は5年ぶりの高水準となった。農家が加工・販売まで手掛ける6次産業化を支援するためのファンドへの出資額は民間だけで300億円を超えた。異業種からの参入や、生産規模を拡大する農業生産法人の投資を後押しする金融環境が整いつつある。米国に習った農業規制の緩和など、政策面からのテコ入れも求められている。
  農業に向けた民間資金が活発化している背景には、地方銀行が農業を成長産業と位置付けて融資に積極的になっている点がある。また、メガバンクも含め銀行が生産者と販売先を結びつける役割も果たしていることも見逃せない。
北海道銀行や山梨中央銀行は農業経営者を育てる塾を開設。中国銀行や千葉銀行が農業参入を目指す企業に融資している。農業に税務やマーケティングを助言する資格、農業経営アドバイザーの合格者は地銀を中心に2500人を超えたという。
    日本の農業融資は5兆2000億円のどの残高があり、残りを政府系金融機関や農業協同組合(JA)の金融事業などが占める。民間銀行の2013年末の融資残高は約5500億円と1年前に比べて3.9%も伸びている。農業以外も含む全体の伸び(2.8%増)を上回っている。